目録システムコーディングマニュアル(CAT2020対応版)


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8.2.1 HDNG

8.2.1A 〔形式〕

HDNG 入力レベル 属性 フィールド長 繰り返し数
(Group Field)
統一標目形
必須1 可変長    1
   名称 (必須1) (可変長) (254バイト) (1)
付記事項 (必須2) (可変長)
名称のヨミ (必須2) (可変長) (254バイト) (1)
名称のその他のヨミ (必須2) (可変長) (254バイト) (2)

8.2.1B 〔記述文法〕

記述文法については、「付録6.5 著者名典拠データの記述文法」を参照のこと。

8.2.1C 〔フィールド内容とデータ要素〕

 HDNGフィールドには、著者名の統一標目形を記録する。
 HDNGのデータ要素は、名称、付記事項、名称のヨミ及び名称のその他のヨミである。
 名称には著者の名前を記録する。
 付記事項には著者の生没年、世系、あるいは専攻分野・職業を記録する。
 名称のヨミには、著者の名前に対応するヨミを記録する。
 ただし、名称のその他のヨミについては、本項では取り扱わない。関連する各コーディングマニュアル等を参照のこと。
 HDNGは一意的なものでなくてはならない。したがって名称等が一致するような場合は、何らかの付記事項を加えた形で記録する。

8.2.1D 〔データ記入及び記入例〕

D1(名称)

D1.1

 名称には、著者の名前を記入する。
 データ要素として記入される名称は、原則として最初に典拠データ作成時に用いた目録対象資料中本体に表記されている字種・字体のままを記録する。
 標目として採用する名称の情報源となる場所は当該資料本体中のいずれの場所からでもよい。また、単一の資料中の複数箇所に複数の異なる字種・字体が記載されている場合は、そのうちの最も共通性の高いものを選択採用する。

D1.2

 著名な著者や多作な著者、あるいは江戸期までの著者名については、作成時の目録対象資料の如何にかかわらず、最もよく知られた形、若しくは多くの参考資料に記載されている形を採用することができる。

D1.3

 転記すべき字種・字体が現在のシステム上対応できない場合は、別途定める方法により、置き換え等を行う。
 また、実際上無視しうる字形上の微細な相違は該当する標準的字形を当てるものとする。
 (→ 1.1.2 転記の原則)

D2(付記事項)

D2.1

 付記事項には、著者の生没年や世系等及び必要に応じて専攻分野又は職業を記録する。
 付記事項に用いる数字は原則として算用数字(アラビア数字)とし、生没年は西暦で記録する。

D2.2

 付記事項は名称に続けて丸括弧(( ))内に記録する。生年と没年の間はハイフン(-)でつなぎ、生没年以外の情報が入る場合は、生没年とその他情報とはスペースで区切る。

D2.3

 付記事項の情報源については、典拠データ作成時に用いた目録対象資料のいずれの場所からでもよい。また、目録対象資料のいずれの場所にもない場合は、参考資料等から採用することができる。
 特に付記事項が必要な標目の場合は、D3.2に示した手段(本人回答、出版者回答等)をも用いて記録する。

D2.4

 付記事項のヨミは記入しない。

D2.5

 生年については、データ記入時に判明する限りにおいて記録する。(→ 8.2.1F 《注意事項》参照)
 没年については、データ記入時、既に著者が物故者として没年が存在し、かつ参考資料等で確定できる場合は、その没年を記録する。また生年が判明せず、没年のみが知られている場合は、ハイフンの後に西暦で没年のみを記録することができる。
 ただし、同姓同名等により、付記事項が必須であるにもかかわらず、生年あるいは専攻分野・職業等も判明・特定できず、没年のみが知られている場合は、その年を記録しなくてはならない。

D2.6

 生年、あるいは没年が不明若しくは不定の場合は原則として、付記事項は記入しない。しかし、同姓同名の発生等により、付記事項が必須となる場合はこの限りではない。
 また参考資料等の調査の結果、複数の生没年が通用している場合は、より多くの資料に記載されている方の年を記録することができる。

D2.7

 世系については、名称の一部として扱われていても名称として記入せず、付記事項の一部として必ず記録する。

D2.8

 専攻分野・職業については、典拠データ作成時に同姓同名・生年一致が発生した場合、若しくは、同姓同名で生年が判明しなかった場合のみに、識別の必要のため記録する。

D3(名称のヨミ)

D3.1

 名称のヨミは著者の名前に対応するヨミをカタカナで記録する。ただし、名称中に英字、数字が含まれている場合はこの限りではない。この場合は、英数字はそのままヨミの部分に転記する。

D3.2

 ヨミの情報源は典拠データ作成時に用いた目録対象資料のいずれの場所からでもよい。ヨミが存在しなかった場合、あるいは目録対象資料を情報源として採用しない場合は、次の手段によってヨミを調査し、採用・記録することができる。

 ただし、1)、2)の手段の多用は、相手側に対して迷惑になる可能性もあることに注意する。 (→ 8.2.1F《注意事項》参照)

D3.3

 D3.2に示した手段によってもヨミが判明しない場合、若しくは上記のいずれの手段も行い得ず、ヨミの特定が不可能な場合は、常識的に考えられ得る推量形を記録する。

D3.4

 参考資料によって複数のヨミが存在し、かつそのうちのいずれかに特定できない場合は、当該目録対象資料の記述、若しくは(記述がない場合は)より多くの資料に記述されている形を採用するものとする。

D4(標目形)

D4.1

 名称及び名称のヨミの記入は基本的には姓の後にコンマ、スペース(,△)を入れて、続いて名を記録する。しかしすべての場合において名称が「姓、名」の形をなしている訳ではない。したがって名称の形によって次のように分け、それぞれに記入方法を示す。

D4.2 姓及び名を持つ名称

D4.2.1

 単純な姓名形の場合、姓と名の間にコンマ、スペース(,△)を入れて記入する。名称のヨミも同じ形で記録する。

HDNG:山老, 成子||トコロ, シゲコ
HDNG:福田, 英子||フクダ, ヒデコ
HDNG:五百旗頭, 真(1943-)||イオキベ, マコト 
  (付記事項がある場合-1) 
HDNG:梅若, 万三郎(12代目 1868-)||ウメワカ, マンザブロウ 
  (付記事項がある場合-2) 
HDNG:平塚, らいてう(1886-1971)||ヒラツカ, ライチョウ 
  (表記とヨミが異なる場合-1) 
HDNG:酒井, シヅ(1935-)||サカイ, シズ 
  (表記とヨミが異なる場合-2) 
D4.2.2

 同姓同名が発生した場合は、付記事項に生没年、専攻分野又は職業等を記録して区別する。

HDNG:小野, 茂(1925-)||オノ, シゲル 
NOTE:大阪大・人間科学・教授、文学博士
NOTE:生年は研究者・研究課題総覧1990年版による 
HDNG:小野, 茂(1930-)||オノ, シゲル 
NOTE:昭和女子大・文学・教授、文学博士
NOTE:生年は研究者・研究課題総覧1990年版による 
HDNG:吉田, 一彦(1936- 教員)||ヨシダ, カズヒコ 
NOTE:国立国会図書館著者名典拠録第2版による 
NOTE:滋賀県八日市市立船岡中学校教諭 
HDNG:吉田, 一彦(1936- 英語学)||ヨシダ, カズヒコ 
NOTE:研究者・研究課題総覧1990年版による 
NOTE:神戸大・教養・助教授 
D4.2.3

 日系人や、外国籍の人との結婚等により、複数の姓を持つ場合のような複雑な姓名形を持つ著者の場合、その順序については基本的には最初に典拠データ作成時に使用した目録対象資料にある表記形、順序に従って記録する。
 ただし、姓名を倒置させている著者については、「姓, 名」の形で記述する。またヨミも同じ形、順序で記録する。

D4.3 姓及び名のように慣用される名称

D4.3.1

 画号、雅号、俳号等と姓若しくは名が一緒になって用いられ、全体で姓名形のように慣用されている名称については、画号、雅号、俳号等をもって姓若しくは名とみなし、全体を姓名形としてD4.2と同じ形で記録する。また名称のヨミも同じ形で記録する。

HDNG:正岡, 子規(1867-1902)||マサオカ, シキ
HDNG:加藤, 楸邨(1905-)||カトウ, シュウソン
HDNG:西村, 五雲(1877-1938)||ニシムラ, ゴウン
D4.3.2

 派名、家名等と名が一緒になって用いられ、全体で姓名形のように慣用されている名称については、派名、家名等をもって姓とみなし、全体を姓名形とみなして記録する。また名称のヨミについても同じ形で記録する。

HDNG:林家, 正楽(2代目 1935-)||ハヤシヤ, ショウラク 
  (派名を姓とみなした例) 
HDNG:松旭斎, 天勝(1886-1944)||ショウキョクサイ, テンカツ 
  (本名等は採用しない。なお、付記事項には初代、1代目等の語句があっても構わない) 
D4.3.3

 地名と名が一緒になって用いられ、全体で姓名形のように慣用されている名称については、地名をもって姓とみなし、全体を姓名形とみなして記入する。また名称のヨミについても同じ形で記録する。

D4.3.4

 役職、官職等と姓若しくは名が一緒になって用いられ、全体で姓名形のように慣用されている名称については、役職、官職等と姓若しくは名とは切り離さずに全体で一語とみなす。また名称のヨミも全体で一語とする。

HDNG:和泉式部||イズミシキブ 
  (イズミ, シキブ、とはしない) 
HDNG:弁内侍||ベンノナイシ 
  (ベン ノ ナイシとはしない) 

D4.4 姓及び名に模した、あるいは擬した名称

D4.4.1

 実際の姓名ではないが、実際に存在する姓名であるかのような形をしたペンネームや芸名等の名称については、それぞれの要素を姓と名とにみなして分離し、姓名形として記録する。

HDNG:岡嶋, 二人||オカジマ, フタリ 
  (実際は徳山諄一と井上泉の共同ペンネーム) 
HDNG:三島, 由紀夫(1925-1970)||ミシマ, ユキオ 
  (本名 : 平岡, 公威は採用しない) 
HDNG:十返舎, 一九(1765-1831)||ジッペンシャ, イック 
(本名 : 重田, 貞一は採用しない) 
D4.4.2

 姓と名に分離することが困難な形をした通称やペンネームや芸名等の名称については、全体を一語とみなして記録する。ヨミは名称の各要素単位で分かち書きを行う。

HDNG:ジェームス三木(1935-)||ジェームス ミキ
HDNG:ビートたけし||ビート タケシ

D4.5 姓又は名のみの形、若しくは字、号のみがよく知られている場合

 原則として、本名や正式な姓名が判明・確認できた場合でも採用しない。

HDNG:乙二(1756-1823)||オツニ 
  (本名 : 岩間, 清雄は採用しない) 
HDNG:正秀(1750-)||マサヒデ 
  (本名 : 川部, 儀八郎は採用しない) 
HDNG:相阿弥||ソウアミ
HDNG:絵金(1812-1876)||エキン 
(絵金は俗称である、また本姓の弘瀬は採用しない) 

D4.6 姓名形をとらない名称

 名称の全体をもって一語とする。あるいは目録対象資料に記されている形をそのまま転記する。
 ヨミは名称の各要素単位で分かち書きを行う。
 名称そのものがカタカナで、かつ分かち書きが存在しない場合は、ヨミを記入しない。

HDNG:プーフニャントラダムス||プーフ ニャントラダムス
HDNG:ムツゴロウ
HDNG:現役自衛官X||ゲンエキ ジエイカン X

D4.7 天皇・皇室の名称

D4.7.1

 現行の天皇・皇室の名称の扱いについては、「天皇陛下」「皇后陛下」とする。「今上天皇」等の名称は採用しない。

HDNG:天皇陛下||テンノウ ヘイカ 
  (今上天皇、とはしない) 
D4.7.2

 現行の天皇・皇室以外の名称については、基本的に名称の全体をもって一語とする。ヨミは諡と天皇との間をスペースで区切る。
 また、「上皇、大皇」等の名称は使用せず、「天皇」に統一する。
 「親王」については「内親王」はその形が付された形が一般的に知られている場合は、採用する。その他「入道親王、法親王」等の名称は原則として採用しない。しかし、その名称の方が一般的であると判断される場合はその限りではない。

HDNG:昭和天皇(1901-1989)||ショウワ テンノウ
HDNG:後白河天皇(1127-1192)||ゴシラカワ テンノウ 
 (HDNG:後白河上皇(1127-1192)||ゴシラカワ ジョウコウ とはしない) 
HDNG:昭憲皇太后(1850-1914)||ショウケン コウタイゴウ
HDNG:式子内親王(-1201)||シキシ ナイシンノウ
D4.7.3

 その他、皇族における宮家の名称については、宮の名称をもって姓とみなし、全体を姓名形として記録する。また名称のヨミも同じとする。この場合には、「ノ」は独立させず、姓にあたる部分は全体を1語として記録する。

HDNG:三笠宮, 崇仁(1915-)||ミカサノミヤ, タカヒト 
  (宮家の表記を姓として記述を行う) 
HDNG:秩父宮, 勢津子(1909-)||チチブノミヤ, セツコ 
  (秩父宮妃, 勢津子とはしない) 

D4.8 仏家、僧侶の名称

D4.8.1

 仏家、僧侶の名称については、基本的には最もよく知られた名称を採用する。したがって一般的には法名、法諱等の名称を採用する。また尊称(大師、国師、上人、阿闍梨等)及び法名と共につけられる「釈」についてはこれを含めた形のものは採用しない。
 ただし、禅宗の道号と法諱等の合成形については、その形がよく知られている場合には採用する。

HDNG:空海(774-835)||クウカイ 
  (俗姓の佐伯は記述しない。また弘法大師も採用しない)
HDNG:覚猷(1053-1140)||カクユウ 
  (鳥羽僧正の名前は採用しない) 
HDNG:夢窓疎石(1275-1351)||ムソウ ソセキ 
 (夢窓国師の形は採用しない) 
HDNG:円信||エンシン
 (釈円信の形は採用しない)
D4.8.2

 尼僧における「尼」の名称については、これを切り離さず、全体を1語とする。また、ヨミも全体で1語とする。

HDNG:慧信尼||エシンニ 
  (エシン ニとはしない) 

D4.9 その他

 姓と名の間に「ノ」を入れて読まれる場合のヨミについては、原則として「ノ」は記録しない。
 ただし例外的に姓が一音節の場合には姓のヨミに「ノ」を加えた形で記録する。また続柄を表す「ノ」については前後にスペースを入れてその一文字のみを独立させた形で記録する。

HDNG:藤原, 公任(966-1041)||フジワラ, キントウ 
  (フジワラノ とはしない) 
HDNG:菅原, 道真(845-903)||スガワラ, ミチザネ 
  (スガワラノ とはしない) 
HDNG:小野, 篁(802-852)||オノ, タカムラ 
  (オノノ とはしない) 
HDNG:紀, 長谷雄(845-912)||キノ, ハセオ 
  (姓が1音節の場合の例外) 
HDNG:菅原孝標女(1008-)||スガワラ タカスエ ノ ムスメ 
  (続柄を示す「ノ」の場合の例外) 

 また架空、あるいは想像上の人物については、その名称の形によって上記の例のいずれかに対応させて記録する。

8.2.1E (選択事項)

 名称がすべてカタカナ、英字、数字から構成されている場合の名称のヨミについて、記録するかどうかは各参加機関が自由に選択する。ただし、分かち書きによる記述が可能な場合は検索時の便宜を考慮し、分かち書きによるヨミを記録する。

8.2.1F 《注意事項》

F1

 著名な著者や多作な著者の、一般的に最もよく知られた形を標目として採用するかどうかについては、次の点を判断材料にする。

 しかし、この結果として現在ある標目形を修正・変更しなければならない場合は、原則として採用しない。 (→ 第25章 著者名典拠データ(日本名)修正)

F2

 名称が複数の著者からなる共同ペンネームである場合について、そのペンネームの下に実際の著作を行っている個人に、変更がないことが確認できる場合は、そのペンネームは原則個人名とみなす。

F3

 中国、朝鮮・韓国人名の名称及び名称のヨミについては、それぞれ対応する規定を参照する。(→「中国語資料用コーディングマニュアル(案)」「韓国・朝鮮語資料の取扱い」及び同解説)

F4 名称のヨミ

F4.1

 ヨミの調査等に使用する二次資料については次のような資料が考えられる。

Ⅰ. 近代以前(明治以前)の人名について
(a) 新日本古典籍総合データベース(https://kotenseki.nijl.ac.jp/
(b) 大人名事典
(c) 大日本人名辞書
(d) 日本人名辞典 など
Ⅱ. 近代以降(明治以降)の人名について
(e) Web NDL Authorities(国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス)(https://id.ndl.go.jp/auth/ndla
(f) ORCID (Open Research and Contributor Identifier) (https://orcid.org/)
(g) researchmap(https://researchmap.jp/
(h) 文化人名録(著作権台帳)
(i) 人事興信録
(j) 医学研究者名簿
(k) 日本紳士録
(l) 日本淑女録
(m) 新訂現代日本人名録
(n) 人物レファレンス事典 新訂増補版
(o) 職員録(官公庁職員・議員等)

 ここに挙げられている資料以外のものについても使用することは可能である。ただし、その資料は原則としてヨミの根拠が凡例等に示されていることなどが必要である。
 また逆に、目録対象資料に拠らず、上に記した資料の特定のいずれかを情報源として採用することも可能である。

 しかし、いずれの場合においても、何を根拠としたのかを記録する必要がある。(→ 8.5.1 NOTE)

F4.2

 名称に対するヨミは、原則として、本人が認めるところの固有のヨミである。しかし、このことを前提とした場合、名称のヨミの記述、決定が極めて困難になることが予想される。したがって、本規定では、基本的には目録対象資料中に存在するヨミを転記することで構わないものと考える。
 しかし、ヨミそのもののランク付けを行うなら、次のようになると考えられる。

 仮に、既にHDNGに記載されている名称のヨミとは異なるヨミが複数の資料に記載されているようなことが発生した場合、ヨミを修正・変更するかどうかは上記のランク付けを基に検討することになる。
 (→ 第25章 著者名典拠データ(日本名)修正)

F5 付記事項

F5.1

 同姓同名が発生した場合の付記事項は原則として著者の生年である。しかし生年がどうしても判明しない場合は著者の職業、専攻分野、肩書を生年の代わりに付記する。さらに同姓同名かつ生年一致の場合には、生年に職業、専攻分野、肩書等をさらに追付記する。生年に月日まで付記することはしない。(→ 8.3.4 DATE)

F5.2

 付記事項とは、基本的には著者の同定・識別を行うために必要とされる情報を記録するためのものである。したがって、その意味において、著者の名称及びヨミのみで同定・識別が可能であれば、付記事項は必要ないことになる。しかし、総合目録データベースにおけるデータ表示法(簡略→詳細)、典拠データ作成後に同姓同名の発生する可能性等を考慮した場合、生没年については、可能な限り記録する方向で考えることが望ましいともいえる。したがって、本規定では生年については判明する限りにおいて記録するものとする。

F5.3

 一方、没年については、著者の同定・識別には直接的には必要ない情報である。したがって、HDNGフィールド中に記述する必要はなく、基本的にはDATEフィールドに記述すれば充分な情報と考えられる。また、すべて個人著者については将来、没年が発生することは必然であり、その都度HDNGフィールドを修正する必要が発生することになる。このような状況を鑑み、没年については、典拠データ作成時にすでに物故者であり、没年が判明している者については、これを記録し、一方存命中にデータが作成された著者の没年については、基本的にはHDNGフィールドの修正は行わず、DATEフィールドに記録するものとする。 (→ 8.3.4 DATE第25章 著者名典拠データ(日本名)修正)

〔関連項目〕


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