HLV | 入力レベル | 属性 | フィールド長 | 繰り返し数 |
所蔵巻次データ | 必須1 | 可変長 | 4000バイト | 4 |
記述文法については、「付録6.4 雑誌所蔵データの記述文法」を参照のこと。
HLVフィールドには、実際に所蔵する資料の巻次をデータ要素として記録する。
所蔵する最初の号から最新の号までの巻次を記入する。
実際に所蔵している号の巻次を小さいものから大きいものへと排列し、欠号は記入しない。
巻次の表現方式は、当該書誌のVLYRフィールドで採用した表現方式に対応させる。
所蔵範囲内で巻次変更がある場合は、巻次変更の位置にセミコロン「;」を挿入し、当初の巻次表示をとっていた期間での所蔵巻次データと、新方式の巻次表示方式による期間での所蔵巻次データを列記する。
VLYR:1号 (1980)-5号 (1984) ; 1985年版 (1985)- HLV:2-5;1985-1991 (巻次変更前の2号から5号、さらに巻次変更後の1985年版から1991年版を所蔵している場合)
巻次変更のセミコロンの位置は、当該書誌のVLYRフィールドでの位置と対応させる。ただし、所蔵範囲外での巻次変更の事実については記入しない。
実際にはまだ所蔵していないが、購入予定のある雑誌の所蔵巻次データとしてはアステリスク(*)を記入する。
HLYR:* HLV:*
記入方式は、実際に目録対象資料上に表示されている表現にかかわらず、巻レベル・号レベルの2階層によるものとする。
巻レベルの数字のあと、その巻レベルに従属する号レベルの数字を丸括弧(( ))に収めて記入する。ここで数字とはアラビア数字を指す。
VLYR:Vol. 1, no. 1 (1985.10)- HLV:2(1) (Vol.2,no. 1のみ所蔵)
VLYR:1985. 6 (1985. 6)- HLV:1988(7) (1988.7のみ所蔵)
VLYR:Vol. 1, no. 1, pt. 1 (1980.1)- HLV:1(2) (目録対象資料上の実際の表現が3階層である場合、対象資料は各号ごとPt.1,2, 3と分冊刊行されている.Pt.1,2,3すべてを所蔵していない号は欠号扱いとなる。 Vol.1,no.2のみPt.1,2,3すべて所蔵)
下に従属するもののない1階層の表現方式の場合は数字をそのまま巻レベルとして記入する。
VLYR:1 (1935.6)- HLV:8 (8のみ所蔵)
VLYR:1967 (1967)- HLV:1967 (1967のみ所蔵)
雑誌の個々の出版物理単位それぞれを識別・順序付けするための記号に対し、何が巻レベル・号レベルに相当するかを一般的に定義することは困難である。そこで、ここでは目録対象資料上の実際の表現に対して記入する上で、「巻レベル」(丸括弧に収めずに記入する)・「号レベル」(丸括弧に収めて記入する)として扱うものの具体例を示すことによって定義に代える。
目録対象資料上での実際の表現 | 記入上でのレベル | ||
巻レベル | 号レベル | ||
1階層 |
号
1)
通号 / 号 巻 年次 |
号
通号 2) 巻 年次 |
-
- - - |
2階層 |
号
1)
-分冊
巻-号 1) 巻-号 / 通号 巻-月次 巻-分冊 年次-月次 年次-号 1) |
号
巻 巻 巻 巻 年次 年次 |
分冊
号 号 月次 分冊 月次 号 |
3階層 | 巻-号 1) -分冊 | 巻 | 号 3) |
それ自体には数値的な意味を持たない字句・単位(「巻」、「号」、「年」など)は削除し、数字のみの表現にする。
VLYR:1990年3月号 (1990.3)- HLV:1991(7) (1991年7月号のみ所蔵)
VLYR:2巻3号 (昭45.3)- HLV:4(5) (4巻5号のみ所蔵)
元号を含むものは、元号を削除する。
VLYR:昭和41年度 (昭41)- HLV:43 (昭和43年度のみ所蔵)
アポストロフィを使用するなどして短縮された西暦紀年は4桁に補正する。
VLYR:'90 ('90)- HLV:1990 ('90のみ所蔵.西暦紀年を4桁に補正して記入する)
巻次の表現方式として、アラビア数字以外の表記によるものは、アラビア数字に変換する。また、数値以外の表記による巻次を示す表現であっても、刊行順に従って数字表現に変換する。
VLYR:Jan. 1987 (Jan. 1987)- HLV:1987(1) (1987 Janのみ所蔵)
VLYR:1巻春号 (1991.4)- HLV:1(3) (1巻には春・夏・秋・冬各号が存在し、その内秋号のみ所蔵)
HLV:2() (資料には「2巻初夏号」と表示されているが、これが2巻の中で何番目に相当す るのか不明)
部編表示に対応し、その部編内での各巻号の識別には関与しない記号等は削除する。
VLYR:Vol. 1A, no. 1 (1990)- HLV:1(1) (Aは当該書誌の部編表示「Section A」に対応する. Aは削除. 部編表示が異なる 資料は別書誌とする)
雑誌の初号に「創刊号」あるいはそれに類似の表示しかない場合、これを数字表現に変換するにあたっては、「創刊号」が当該雑誌の巻次表示体系の中で何号に相当するかを、その後の巻次表示から判断する。「創刊号」しか所蔵していない場合は、暫定的に「1」として記入する。
VLYR:創刊 [1巻1] 号- HLV:1-3 (1巻より3巻まで完全に所蔵)
「創刊号」あるいは1号等に先んじて「創刊準備号」若しくはそれに類似した表現のものが存在する場合は、これを書誌的初号とみなし、記入にあたっては巻レベル数値として「0」を採用する。
VLYR:創刊準備 [0] 号- HLV:0-4 (「創刊号」に先んじ、「創刊準備号」が1冊のみ刊行され、これより4号まで完全に所蔵している場合)
VLYR:創刊準備 [0巻1] 号- HLV:0(1-2) (「創刊号」に先んじ、複数の号が刊行され、書誌的初号に相当する号及び第2番目に刊行されたもの のみ所蔵している場合)
巻レベルでの欠号(=非所蔵巻)の存在は、その数字を記入せず、コンマ(,)で区切ることで表現する。
VLYR:1号 (1991)- HLV:1,3 (1号、3号を所蔵し、2号は所蔵していない)
号レベルの欠号が1冊でも存在する巻(=不完全巻)は、巻レベルの数字の他に、その号レベルを次の2通りのうち、いずれかの方法で記入する。
いずれの方法をとるかは選択可能であるが、一度採択した方法は当該所蔵データ内で一貫して使用し、原則として双方の方法を混用してはならない。
VLYR:1巻1号 (1987)- HLV:2(2,4),4(3) (2巻2号、2巻4号、4巻3号を所蔵する場合)
VLYR:1巻1号 (1987)- HLV:2(),4() (2巻2号、2巻4号、4巻3号を所蔵する場合)
同一巻レベルに属する号レベルは、同一の丸括弧内に収めて記入する。
号レベル欠号の全くない巻(=完全巻)は、丸括弧及び号レベルの記入は行わず、巻レベルの数字のみを記入する。
号レベルにおいて、継続して所蔵している区間はその先頭の号レベル表示と末尾の号レベル表示をハイフンで結合して表す。継続が途切れる箇所はコンマで区切る。
VLYR:1巻1号 (1987)- HLV:1(1-9,11-12) (1巻の1号から9号、11号と12号を継続して所蔵し、10号が欠号である場合)
完全巻で継続して所蔵している区間は、継続区間の先頭の完全巻表示と末尾の完全巻表示をハイフンで結合して表す。不完全巻、非所蔵巻の出現により完全巻としての継続が途切れる箇所はコンマで区切る。
VLYR:1巻1号 (1987)- HLV:1-8,9(1-9,11-12),10-11 (1巻から8巻まで、及び10巻と11巻は完全巻で所蔵し、9巻が不完全巻である場合)
不完全巻ばかりで継続して所蔵している区間は、丸括弧のみを添えた形の不完全巻表示で表現している場合に限り、継続区間の先頭の不完全巻表示と、末尾の不完全巻表示をハイフンで結合して表現することができる。完全巻あるいは非所蔵巻の出現により継続が途切れる箇所はコンマで区切る。
VLYR:1巻1号 (1987)- HLV:1()-8(),9,10() (1巻から8巻まで、及び10巻は不完全巻で所蔵しているが、9巻が完全巻である場合)
以上において、ハイフンはその両端で使用された表示方式を一貫して保った形の継続所蔵を表現することをその目的としている。継続所蔵一般に使用されるものではない。
同時に異なる表示形式による巻次が存在する場合は、VLYRフィールドで優先採用した表示方式で所蔵巻次を記入し、VLYRフィールドにイコール以下に記入した別方式やVLYRフィールドに記入しなかった方式による巻次表示方式では記入しない。
以下に、表示方式に対する優先採用の基準を示す。VLYRフィールドに記入が存在しない場合は、本基準に従って複数の表示方式間の優先順位を判定する。
VLYR:1巻1号 (1970.8)- =通号12号 (1970.8)- HLV:1(1-11) (巻号による2階層の表示と通号による1階層の表示がある場合、2階層の表示を優先して記入する)
以下に、所蔵データ記入にあたって巻次変更扱いとみなす基準を示す。
VLYR:1号 (1980.8)-72号 (1985.7) ; 7巻1号 (1986.8)- =73号 (1986.8)- HLV:1-72;7-9 (巻次変更前の1号から72号、変更後の7巻から9巻を完全巻として所蔵している 場合)
VLYR:1980年1号 (1980.8)-1985年12号 (1985.7) = 1号 (1980. 8)-72号 (1985.7) ; 73号(1985.8)- HLV:1983(2-12),1984-1985;73-80 (巻次変更前の1983年2号から1985年12号、変更後の73号から80号まで所蔵して いる場合)
VLYR:-昭和36年版 (昭36) ; 昭和36年度 (昭36)- HLV:31-36;36-45 (巻次変更前の昭和31年版から36年版、変更後の昭和36年度から45年度まで所蔵 している場合)
VLYR:-昭和64年版 (昭64) ; 平成2年版 (平2)- HLV:58-64;2-3 (巻次変更前の昭和58年版から64年版、変更後の平成2年版から3年版まで所蔵し ている場合)
ただし、次のような場合には巻次変更とみなさない。
VLYR:Vol. 1 (1955)-no. 20 (1960) HLV:1-20 (資料表記上は、Vol.1-Vol.12、No.13-No.20となっているが、数値が連続してい るため巻次変更とはしない)
VLYR:1号 (1988.2)- HLV:2-4 (3号に続いて4巻1号が刊行されているが、巻レベル数値が連続しているため巻次 変更とはしない)
VLYR:[1985], 1号 (1985.1)-[1987], 12号 (1987.12) HLV:1985(1-11),1986-1987 (1年をサイクルとして1号から12号まで刊行される資料に対して巻レベル数値と して年次を補い、号の数値が振り出しに戻って反復する度に巻次変更とはしない)
VLYR:3号 (1988)- HLV:3-9 (実際には当該タイトルの下で刊行されているのは3,6,9号のみであるが不連続と なる度に巻次変更あるいは欠号扱いにはせず、継続所蔵として表現する)
なお、巻次変更と判定した場合、対応する書誌データのVLYRフィールドにその記述が存在していないときには、必要な記述を行う。
アラビア数字、ハイフン(-)、コンマ(,)、丸括弧(( ))及びアステリスク(*)以外のデータは記入できない。シャープ(#)は不使用とする。
巻レベルと号レベルの間をコンマ等丸括弧以外の記号で区切ってはならない。
表示上の「号」と記入上の「号レベル」を混同してはならない。1階層のみの表示の場合は、たとえ「号」という名称であっても、「巻レベル」として丸括弧に収めずに記入する。
記入に際して、スペースは一切挿入してはならない。
所蔵巻次の範囲が、当該書誌の巻次の範囲を越えてはならない(実際は変遷前誌、変遷後誌に付けるべき所蔵データである可能性がある)。
継続所蔵を表現する際に、ハイフンで結合することが可能なのは、次の3つの場合に限る。種類の異なる表示を相互に結合することはできない。
また、号レベルの数字を丸括弧に収めて記入した不完全表示はいかなる表示とも(同種の表示とも)結合できない。
数値として隣接した同種の表示方式による所蔵データの記入にあたっても、その結合にはコンマではなくハイフンを使用する。
刊行頻度が隔月、隔年等であることにより、巻次数値が連続しない場合であっても、継続所蔵区間の先頭と末尾をハイフンで結合して表す。
FREQ:g VLYR:1960 (1960)- HLV:1960-1962,1966,1970 (隔年刊行の資料であり、1961は刊行されていない)
他の雑誌と巻次を共有しているために、その雑誌の巻次としては不連続になる場合や、誤植のために巻次が飛躍したりする場合は、巻次が連続していなくとも、その雑誌としての巻号が揃っている区間は継続所蔵扱いとすることができる。
その雑誌に対しては存在しない巻次について欠号扱いして、所蔵巻次を逐一列記する必要はない。
この際、NOTEフィールドに巻次のとび方や誤植の存在について注記を施しておくことが望ましい。
合併号は、物理的には1冊であっても所蔵巻次の記入の際には別個の号が継続したものとみなす。
VLYR:1/2/3号 (1980.1)- HLV:1-3 (1号2号3号合併号を所蔵している場合.それぞれ別個の号を継続して所蔵してい るのと同等とみなす)
巻次変更が存在するが、変更直前直後の号を所蔵していない場合であっても、変更前の巻次と変更後の巻次の間にはセミコロンを記入する。
VLYR:1号 (1950)-5号(1953) ; 4年1号 (1954)- HLV:2;6(2) (所蔵しているのは変更前は2号のみ、変更後は6年2号のみであるが、この場合も もセミコロンで区切って記入する)
年月次の表示方式の変更は巻次変更とみなさない。ただし、巻次表示が存在しないために巻次として採用した場合はその限りではない。
巻次変更の判定において、巻次の数値が反復する場合は通常巻次変更とみなすが、1階層のみの表示方式で、その数値が組となって継続的に反復する際には数値が振出しに戻るたびに巻次変更扱いにするのではなく、適宜の巻レベル数値(年次等)を補い、巻次が一貫して連続するものになるよう調整の上記入する。
タイトル変遷あるいは休・廃刊によって、当該書誌が巻次の途中の号で始まったり、終わったりする場合は、各雑誌についての該当巻の構成号をすべて所蔵しているならば完全巻として扱う。
VLYR:1巻1号 (1983.1)-6巻2号 (1988.2) HLV:1-6
VLYR:6巻3号 (1988.3)- HLV:6-8 (変遷前誌は6巻2号で終了、後誌が6巻3号より開始.前誌における6巻は1号と2号 を所蔵、後誌における6巻は3号以降すべての号を所蔵している。この場合は、そ れぞれを完全巻扱いとする)
VLYR:1巻1号 (1948.1)-21巻10号 (1968.10) HLV:1-21 (通常各巻12号まで刊行されているが、最終21巻は10号で終了している.この場合、 21巻1号から10号まですべて所蔵しているなら、21巻は完全巻扱いする)