逐次刊行物については,継続的に刊行される一連の刊行物全体を「逐次刊行物書誌単位」として,一つの書誌データを作成する。この書誌的記録は,刊行途中の本タイトルの変更等により,新しい著作の出現とみなされ,その体現形に対する新規の記述の作成が必要となる場合がある。これを「タイトル変遷」という。
以下の指針に従って,タイトル変遷かどうかを判断する。タイトル変遷と判断できる場合は,新規書誌データを作成する。この方式を「個別タイトル記入方式」という。
本タイトルの変化に関しては,NCR2018 #2.1.1.4に準拠する。本タイトルの変化には重要な変化と軽微な変化があり,軽微な変化に該当しない重要な変化の場合にタイトル変遷と判断する。
判断に迷う場合は,軽微な変化とする。ただし,出版者によるタイトルの変更の意思を示す証拠がない場合に限る。各条項番号およびその採否については,以下のとおりである。
NCR2018 #2.1.1.4.1に従い,以下の場合を重要な変化とみなす。
相談学研究 → カウンセリング研究
Journalism quarterly → Journalism & mass communication quarterly
Advances in enzymology and related subjects of biochemistry →Advances in enzymology and related areas of molecular biology
電子通信学会誌 → 電子情報通信学会誌
Journal of research of the National Bureau of Standards →Journal of research of the National Institute of Standards and Technology
西洋史研究 → 西洋史研究. 新輯
Endeavour → Endeavour. New series
NCR2018 #2.1.1.4.2に従い,以下の場合を軽微な変化とみなす。
中国土地改良 → 中国の土地改良
日本近代文学館ニュース → 日本近代文学館
月刊海外経済データ → 海外経済データ
Annual report of transport economy → Annual report on the transport economy
year-book ⇔ yearbook IC ⇔ integrated circuits
Minnesota history bulletin → Minnesota history
Programme of work → Programme of work for ...
鹿児島大学理学部紀要. 数学・物理学・化学 → 鹿児島大学理学部紀要. 数学・化学・物理学
Japanese journal of applied physics. Pt. 1, Regular papers, short notes & review papers →Japanese journal of applied physics. Pt. 1, Regular papers, brief communications & review papers
NTTファシリティーズジャーナル → NTTファシリティーズjournal
Viewかんざき → View神崎
韓國의中小企業 → 한국의 중소기업
沖縄生物教育研究会誌 → 沖生教研会誌
Berichte der Gesellschaft für Mathematik und Datenverarbeitun → GMD-Bericht
県民所得推計結果報告書 → 県民所得推計報告書
上記,重要な変化としないものおよび軽微な変化となるものは,VTフィールドにLTとして記録し,NOTEフィールドに巻次・年月次とともに記録する。アクセス上必要がないものはNOTEフィールドのみに記録してもよい。 (→ 4.2.6 F6,4.2.7 F3.2.1)
ただし,上記A1.2の軽微な変化の規定に関して,書誌の同定・運用上特に必要と認められる場合には,タイトル変遷とみなすこととする(NACSIS独自規定)。
刊行途中に責任表示に変化・追加・削除があった場合は,タイトル変遷とみなさず,新規書誌データは作成しない。
それらはNOTEフィールドに記録し,ALフィールドまたは該当著者名典拠データのSFフィールド等に記録する。(→ 4.2.1 F5.3,4.2.7 F3.2.2 イ))
ただし,NCR2018の#2.2.0.6に従い,本タイトルが総称的で,その責任表示の表記に微細な変化,追加または削除以外の変化があった場合は,タイトル変遷とみなす。(→ 4.2.1 F5.5,4.0.3)
刊行途中に並列タイトルに変化・追加・削除があった場合は,タイトル変遷とみなさず,別書誌データは作成しない。それら並列タイトルは,NOTEフィールド(必要があればVTフィールド)に記録する。(→ 4.2.1 F3.5,4.2.7 F3.2.1 ウ))
刊行途中にタイトル関連情報に変化・追加・削除があった場合は,タイトル変遷とみなさず,別書誌データは作成しない。それらタイトル関連情報は,NOTEフィールド(必要があればVTフィールド)に記録する。(→ 4.2.1 F4.6, 4.2.7 F3.2.1 エ))
刊行途中に版表示に対象範囲や主題が変わったことを示す変化がある場合は,タイトル変遷とみなし新規データを作成する。版表示の表現上の変化の場合,タイトル変遷とみなさず,変化後の版表示を注記する。(→ 4.2.2 H1, 4.2.7 F3.2.3)
刊行途中に順序表示に変化・追加があった場合は,タイトル変遷とはみなさず,別書誌データは作成しない。巻次変更として,VLYRフィールドに記録する。(→ 4.2.3 F4)
刊行途中での出版地,出版者の変化・追加など,出版表示・頒布表示等だけに相違が発生しても,別書誌データは作成しない。変化後の出版表示・頒布表示等は,NOTEフィールドに記録する。(→ 4.2.4 F2.6,F3.6,4.2.7 F3.2.5 ア),イ))
タイトル変遷とみなすデータ要素の変化が一時的で,すぐに元のタイトルに戻ったとしても,変化があった都度に各々別書誌データを作成する。
TR:Elektrowärme(vol. 1-13) → TR:Gas und Elektrowärme(vol. 14)→ TR:Elektrowärme(vol. 15-19)
タイトル変遷には,次のような種類がある。
ある雑誌(A)のタイトルが変更し別のタイトルの雑誌(B)となった場合,継続関係のタイトル変遷が発生したとする。
なお,A誌とB誌が合併してC誌になる場合,あるいは,A誌が分離してB誌とC誌になる場合もこの継続関係とみなす。
ある雑誌(A)から別の雑誌(B)が分離,独立して創刊され,かつAのタイトル自体には変更がない場合に,派生関係のタイトル変遷が発生したとする。
ある雑誌(B)に別の雑誌(A)が吸収され,廃刊を迎え,かつBのタイトル自体には変更がない場合に,吸収関係のタイトル変遷が発生したとする。
タイトル変遷に関する情報は,次に示す変遷ブロックの各フィールドに記録する。
変遷ブロックのFIDフィールド,BHNTフィールドへの記録は,参加館からの報告に基づいて国立情報学研究所が行う。変遷関係が生じた場合は,速やかに「変遷注記用データシート」を作成し,情報源のコピーとともに国立情報学研究所宛てに送付するものとする。(→ 4.0 F)
なお情報源は,和雑誌の場合,変遷前誌の終号,変遷後誌の初号の表紙が規定のものであるが,タイトル・ページ,キャプション,奥付,背等と表記が異なる場合は,それらも送付する。