目録システムコーディングマニュアル(NCR2018対応版)


[目次]
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4.2.3 VLYR

4.2.3A 〔形式〕

VLYR 入力レベル 属性 フィールド長 繰り返し数
順序表示(巻次・年月次)に関する事項 必須2 可変長 1024バイト 4
    巻次・年月次表示 必須1    
 別形式の巻次・年月次表示 選択    
 巻次変更後の巻次・年月次表示 必須2    

4.2.3B 〔記述文法〕

 記述文法については,「付録6.3 雑誌書誌データの記述文法」を参照のこと。

4.2.3C 〔区切り記号〕

ア)初号の順序表示(巻次・年月次)の直後にハイフン ( - ) を置く。巻次に続く年月次は丸括弧に入れる。丸括弧(一対)の前にスペース (△( )) を置く。
イ)別形式の順序表示の直前に,スペース,イコール,スペース (△ = △) を置く。
ウ)順序表示方式に変化があった場合,巻次変更後の巻次・年月次表示の直前に,スペース,セミコロン,スペース (△ ; △) を置く。

4.2.3D〔フィールド内容とデータ要素〕

 VLYRフィールドには,逐次刊行物の各出版物理単位を順序付けする巻次及び年月次表示を記録する。
 巻次は番号などにより順序付けを示すものであり,年月次は年月日あるいはそれに準じ た暦に関連する記号により順序付けを示す。これに対して出版日付は,出版年や出版日を 明示したものであり,年月次と基本的に性格を異にする。巻次・年月次を持たない資料は,逐次刊行物として扱うことはできない。

4.2.3 E 〔データ要素の情報源〕

 VLYRフィールドのデータ要素の情報源は,次の優先順位で選定する。
 ただし,識別又はアクセスに重要な場合は,a)よりもb)を優先して選択する。

a) 初号又は終号の本タイトルと同一の情報源(→ 4.2.1E
b) 初号又は終号の資料自体の他の情報源
 VLYRは,初号(あるいは変遷直後号)と終号(あるいは変遷直前号)によってのみ,記録が可能である。初号も終号も所蔵していない場合は,このフィールドには記録できない。

4.2.3F 〔データ記入及び記入例〕

F1 (データ記入の原則)

F1.1 (巻次の転記)

 巻次の転記に当たっては,数詞・数字は原則としてアラビア数字を用いる。序数は,当該言語の標準的な序数を示す表記の形式で記録する。例えば,日本語等では「第」を省略せず,英語では「1st」,「2nd」,「3rd」,「4th」などの形式で記録する。略語は,情報源に略語が表示されている場合に限り使用する。
 欧文表記の場合は,各言語の大文字使用法に従って記録し(→ NCR2018 付録#A.2),巻レベルと号レベルの間は,コンマ,スペース(,△)を挿入する。

VLYR:1輯 (情報源の表示:1輯)
VLYR:第1回 (情報源の表示:第1回)
VLYR:第1巻第1號 (情報源の表示:第1巻第1號)
VLYR:Vol. 1, no. 1 (情報源の表示:Vol. 1, no. 1) 
VLYR:Volume 1(情報源の表示:Volume 1)

F1.2 (年月次の転記)

 年月次は,対応する巻次に続けて丸括弧(())内に記録する。転記にあたっては,数詞・数字は原則としてアラビア数字を用いる。
 明治以降の元号は,頭1字のみに短縮する。「年・月・日」「号・版・度」など年月次の数字に付随する文字は,省略する。(NACSIS独自規定)
 欧文表記の場合は,各言語の大文字使用法に従って記録する。(→ NCR2018 付録#A.2)月名は数字に変換せず,情報源の表示通りに記録する。
VLYR:第1巻第1号 (大1.12)-
VLYR:第1輯 (明41.5)-
VLYR:第1次 (明6.7)-第65次 (昭15)
VLYR:第1回 (昭61.2)-
VLYR:Vol. 1, no. 1 (Jan. 1996)- (情報源の表示:Jan. 1996)
VLYR:Volume 12 (1972)-volume 18 (1978)
VLYR:46 (1932)-50 (1937)
VLYR:#1 (January 1988)-#12 (December 1988) (情報源の表示: January 1988, December 1988)
VLYR:1997 (1997)-
VLYR:Volume 1 (July 7, 1967)-volume 31, no. 396 (Jan. 31, 1975)

F2 (巻次・年月次の記述)

F2.1 (初号・変遷直後号の記録)

 初号・変遷直後号の巻次・年月次とハイフン(-)を記録する。

VLYR:1集 (昭59.5)-
VLYR:-第240号 (昭18.12) ; 第1巻第1号 (昭23.10)-
VLYR:1 (summer 1984)-
VLYR:Vol. 1, no. 1 (winter 1979/1980)-
VLYR:'96 (1996)-

F2.2 (継続刊行途中号の記録)

 初号の巻次・年月次が既に記録されている場合は,何も記録しない。

F2.3 (終号・変遷直前号の記録)

 ハイフン(-)と終号・変遷直前号の巻次・年月次を記録する。

VLYR:-復刊第4号 (昭62.10)
VLYR:-第132回 (明43.6)
VLYR:-10th ed. (1990)
VLYR:-32 Jahrgang, Nr. 12 (Dezember 1903)
VLYR:-82e session (6 février 1957)

F2.4 (初号・終号に巻次・年月次の表示がないもので推測可)

 初号に巻次・年月次の表示がない場合,それに続く号で順序づけと見なせる数字・記号が出現する場合,その表示方法に従って,初号の巻次・年月次を補記することができる。

VLYR:創刊[第1]号 (1991.3)-
VLYR:創刊準備[第0]号 (1981.11)-
VLYR:[昭和33年上期 (昭33.上期)]-
VLYR:[Bd. 1] ([1970])- (巻次・年月次ともに表示されていない。後続の号にBd. 2, Bd. 3の表示あり)
VLYR:[No. 1] ([1997])- (巻次・年月次ともに表示されていない。後続の号にNo. 2, No. 3表示あり)
VLYR:[Pt. 1] (1950)- (年月次だけは表示されている。後続の号にPt. 2, Pt. 3の表示あり)
 終号に巻次・年月次の表示がない場合についても,その前の号の巻次・年月次に基づいて判断し,終号の巻次・年月次を補記することができる。

F2.5 (巻次がない場合)

 巻次の表示が全く現れない場合は,年月次を代用して記録する。
 ( )に年月次を重ねる記述文法はNACSIS独自規定である。(途中で巻次が消滅した場合には,巻次変更の扱いを要す)

VLYR:平成元年1月号 (平1.1)-
VLYR:昭和41年 (昭41)-昭和49年 (昭49)
VLYR:第1巻 (昭40)-第4巻 (昭43) ; 昭和44年 (昭44)-
(5巻以降には,巻次表示が現れない)
VLYR:1997 (1997)-
VLYR:'90 (1990)-
VLYR:No. 1 (1975)-no. 5 (1980) ; 1981 (1981)-
(No. 5までにしか巻次表示が現れない)

F2.6 (年月次がない場合)

 年月次の表示が全く現れない場合や,途中で消滅した場合には,出版日付,頒布日付などを補記する。

VLYR:第28巻第7号 ([平1.3])-
VLYR:Volume 8, number 2 ([June 1995])-
VLYR:-14 ([1951])
VLYR:1 ([1962])-28 ([1979])

F2.7 (合併号の場合)

 記入すべき号が合併号である場合,合併号を一つの号であると見なし,号を切り分けては記録しない。その場合,対応する接続記号は,スラッシュ(/)を使用する。

VLYR:昭和34/35年度 (昭34/35)-昭和63年度 (昭63)(情報源の表示:昭和34~35年度)
VLYR:1号 (1951.12)-149/150号 (1989.3)(情報源の表示:149-150号)
VLYR:第1巻第1/2号 (平1.4/5)-(情報源の表示:第1巻第1・2号) 
VLYR:6/7/8号 (1964/1965/1966)-(情報源の表示:6/7/8号) 
VLYR:Pt. 100/101/102 (1961/1962/1963)-
VLYR:-56th (June 12/13/14, 1974)
VLYR:-64th/65th (1991)
VLYR:-1989/90 ed. (1989/1990)
VLYR:Volume 1, no. 1 (Jan. 1979)-volume 6, no. 5/6/7 (May/June/July 1984)

F2.8 (複数の言語表示がある場合)

 巻次あるいは年月次が,複数の言語もしくは文字で表示されている場合,本タイトルの言語,もしくは文字に対応する表示のみを記録する。この規定が適用できない場合は,最初の表示を記録する。

〇 VLYR:2 (May 1977)-
× VLYR:2 (May 1977)- = 2 (Mai 1977)-	とは記録しない。

F2.9 (単一の号しか刊行されなかった場合)

 単一の号しか刊行されなかった場合は,その号が初号でありまた終号であると見なし,その号の巻次・年月次を2つ記入し,ハイフン(-)でそれらをつなぐ。(NACSIS独自規定)

VLYR:第1号 (1960.11)-第1号 (1960.11)
VLYR:No. 10 (spring 1988)-no. 10 (spring 1988)
VLYR:8 (1953)-8 (1953)
VLYR:Volume 1 (1963)-volume 1 (1963)

F3 (別形式の巻次・年月次表示,その優先順位)

 別形式の巻次・年月次表示が存在する場合,原則として,他の書誌データと共通する表示よりも,その書誌データに固有な表示を優先採用する。(NACSIS独自規定)

F3.1 (タイトル変遷後の巻次)

 変遷後に付与された巻次は,変遷前誌より引き継いだ巻次より優先使用する。

F3.2 (固有の巻次)

 当該の逐次刊行物固有の巻次は,他の逐次刊行物と共有する巻次より優先して使用する。また,全ての部編に共通する巻次とその部編に固有の巻次とでは,その部編に固有の巻次を優先使用する。

F3.3 (2階層の巻次)

 2階層の巻次(巻号表示など)は,1階層の巻次(通号表示など)より優先使用する。

VLYR:第1巻第1号 (昭36.1)- = 通巻第1号 (昭36.1)-
VLYR:第1巻第1号 (昭36.1)-第27巻第12号 (昭63.12) = 通巻第1号 (昭36.1)-第324号 (昭63.12)

F3.4 (複数の紀年法による年月次表示)

 西暦年は和暦年に優先する。

F3.5 (非優先使用の巻次の表現)

 上記の,優先して使用する巻次表示以外の表示も併記することができる。併記する場合は各方式間をスペース,等号,スペース(△=△)でつないで表示する。

VLYR:-第34巻第2号 (昭59.2) = -通巻第396号 (昭59.2)
VLYR:復刊第1号 (昭62.1)-復刊第4号 (昭62.10) = 通刊第13号 (昭62.1)-通刊第16号 (昭62.10)
VLYR:Vol. 15, no. 1 (Oct. 1989)- = No. 31 (Oct. 1989)-
VLYR:-1989, no. 12 (декабрь 1989) = -66 (декабрь 1989)
VLYR:1 (1903)-17 (1919) = 6 (1903)-22 (1919)

F4 (巻次変更)

 巻次の取り方が変更になった場合,旧方式による初号,終号の巻次・年月次を記録したあと,スペース,セミコロン,スペース(△;△)に続いて新方式による巻次・年月次を記録する。

 ただし,以下のような方法を採用する。(NACSIS独自規定)

F4.1 (優先順位が上位の表示方法が出現した場合)

VLYR:第1号 (昭60.2)-第12号 (昭60.12) ; 第1巻第1号 (昭61.1)-
VLYR:-no. 72 (1975.7) ; Volume 7, no. 1 (1976.8)-
VLYR:-1969 (1969) ; Volume 11, no. 1 (Jan. 1970)-
VLYR:-41 Jahrgang (1991) ; 1992, Nr. 1 (1992)-

F4.2 (優先順位が上位の表示方法が消滅した場合)

 優先順位が下位であった表現方法を繰り上げて使用する。

VLYR:第1巻第1号 (平2.1)-第1巻第12号 (平2.12) ; 第13号 (平3.1)-
VLYR:-125th year, no. 3368 (Aug. 1992) ; No. 3369 (Sept. 1992)-
VLYR:-63 année, no 973 (décembre 1981) ; No 974 (janvier 1982)-

F4.3 (巻次の数字が後退,反復,極端に飛躍した場合)

VLYR:第1巻 (平2.1)-第12巻 (平2.12) ; 第1巻 (平3.1)-
VLYR:-volume 29, no. 12 (Dec. 1962) ; Volume 95, no. 1 (Jan. 1963)-
VLYR:-11 Jahrgang, Heft 72 (1990) ; 1 Jahrgang, Heft 1 (1991)-
VLYR:-Nr. 55 (1979) ; Nr. 1 (1980)-

 このような場合,別に書誌データを作成すべき場合もある。出版者や編集者の意図から継続関係の十分な調査が必要である。(→ 0.2.3B4

F4.4 (年月次表示形式が変更の場合)

 年月次の変更は巻次変更とは見なさず,記録しない。ただし,巻次表示がないために,年月次を代用して巻次としている場合には,巻次変更と同様の扱いとし,スペース,セミコロン,スペース(△;△)に続けて,新しい年次を記録する。
 年号が年次となっている場合で,改元前と改元後の年号の双方が併記されている場合は,原則として改元後の年号を記録する。双方が併記されている期間については,NOTEフィールドに記録する。

VLYR:-昭和64年版 (昭64) ; 平成2年版 (平2)-
VLYR:-昭和64年1月1日 (昭64.1.1) ; 平成2年1月1日 (平2.1.1)-
VLYR:-昭和63年/平成元年度 (昭63/平1)-

F5 (巻次変更とは見なさない場合)

F5.1 (巻次の呼称の変化)

 「No.」が「Vol.」に変更するなど,単なる呼称の変化は巻次変更とはしない。

F5.2 (巻次体系の階層は変化するが,巻レベルの数値が一貫している場合)

○ VLYR:1巻 (平2.1)-
× VLYR:1巻 (平2.1)-12巻 (平2.12) ; 13巻1号 (平3.1)- のようには記録しない。

F5.3 (他の逐次刊行物と巻次体系を共有している場合)

 他の逐次刊行物と巻次体系を共有しており,そのために巻次が不連続になる場合は,巻次変更とはしないで,NOTEフィールドにその事実を記録する。

第一分冊が,第1巻第1号,第1巻第3号,第1巻第5号 ....
第二分冊が,第1巻第2号,第1巻第4号,第1巻第6号 ....
Section Aが,Vol. 131, 133, 135……
Section Bが,Vol. 132, 134, 136……

F5.4 (誤植による巻次の数値の後退,反復,飛躍の場合)

 誤植による巻次の乱れは,巻次変更としない。誤植の事実については,NOTEフィールドに記録する。(→ 4.2.7F3.2.4 イ)

F5.5 (巻に相当するものがなく号数のみが繰り返し反復する場合)

 「巻」に相当するものがなく,号数のみが反復する場合には,号数が元に戻るたびに巻次変更とはせず,適宜の巻(年次など)を補記し,巻次が一貫するように記録する。

○ VLYR:[1990], 1 (1990.1)-[1991], 12 (1991.12)
× VLYR:1 (1990.1)-12 (1990.12) ; 1 (1991.1)-12 (1991.12) のようには記録しない。

F6 (逐次刊行物全体の順序づけを示す表示)

 資料全体の順序づけを示す表示(「II」,「第2次」,「New series」,「2nd series」など)の変更・追加は,巻次変更とはせず,タイトル変遷と見なし,別書誌を作成する。(NACSIS独自規定)(→ 4.2.1F2.8

F7 (巻次・年月次に関する注記)

 巻次・年月次について説明する必要があるときは,NOTEフィールドに記録する。(→ 4.2.7F3.2.4

NOTE:号外: 昭和32年9月,昭和47年3月


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