NACSIS-CAT和雑誌データ作成マニュアル

5.2.9 タイトルおよび責任表示に関する事項 (TR)

　タイトル及び責任表示に関する事項(TR)は，本タイトル，タイトル関連情報，責任表示，並列タイトル，並列責任表示(以上，TRD)及びタイトル等の読み(TRR)，タイトル等のその他の読み(TRVR)から成ります。ここでは，TRDの各要素について触れます。

[情報源]

• 表紙または標題紙がある場合は，初号の表紙，標題紙，背，奥付の順に採用します。表紙及び標題紙がない場合は，題字欄となります。
  
  
• 初号がない場合は，所蔵するうちの最古の号とします。
  
  
• 書誌的初号がない場合の記述の根拠とした号，表紙を欠く資料の場合の代替物については，必ず注記してください(→ p. 93)。
  
  ☆マイクロ資料の雑誌の場合，タイトルフレームとします。
  
  ☆ここでタイトルフレームとは一般に記述対象の冒頭にあって，完全なタイトルと資料の詳細な出版事項のあるフレームを指します。
  
  ☆タイトルフレームを欠く資料の場合の代替物は，記述対象の他の部分，入れ物(container) ，肉眼で読める付属資料，その他の情報源となります。
  
  

[記入方法]

• 原則として，表示されているままを記録してください(「5.1.7 表記」(→ p. 64))
  
  
• 各項目を所定の区切り記号を用いて，記録してください。
  
  

  (△はスペース) 　①タイトルが本タイトルのみの場合 　　本タイトル△／△責任表示 　②タイトルが本タイトルとタイトル関連情報からなる場合 　　本タイトル△：△タイトル関連情報 　③タイトルが本タイトルと並列タイトルからなる場合 　　本タイトル△＝△並列タイトル 　④タイトルが共通タイトルと部編記号及び部編名からなる場合 　　共通タイトル．△部編記号，△部編名 　⑤責任表示が２つ以上ある場合 　　責任表示△；△責任表示

[ヨミの記入]

• 本タイトル等にヨミがある場合は記入の最後に「｜(縦線)」2本を記入し，発音どおりにカタカナで記入してください。
  
  
• ローマ字，アラビア数字，ギリシャ文字，キリル文字，記号等は原則として表示されているとおりをヨミとします。欧文タイトル等，ヨミとタイトルに記入される形が完全に一致する場合はヨミを記入する必要はありません。
  
  
  

  (例) TR:スポーツ史研究 / スポーツ史学会||スポーツシ ケンキュウ 　　　 TR:報告．人文科学||ホウコク．ジンブンカガク 　　　 TR:論叢．その2，文学I ||ロンソウ．ソノ2，ブンガク I 　　　 TR:Journal of science　　←ヨミの記入は不要

  
  

  本マニュアルの「記入例」では，ヨミの記入を省略しています。

5.2.9.1 本タイトル

• 目録対象資料全体を通して共通する固有の名称です。
  
  
• タイトル関連情報・並列タイトルは含みません。
  
  
• 部編記号・部編名，付録・補遺資料名は含みます。
  
  
• 本タイトルが変更した場合には新たに書誌レコードを作成します。
  
  

[記入方法]

• 原則として，情報源上に表示されているままを記録してください。

[情報源以外の箇所のタイトル]

• 規定の情報源以外の箇所に表示されたタイトルについては，「その他のタイトル」(VT)として記入してください。

• タイトルが出版物の種類あるいは出版物の刊行頻度を表す語のみで構成されている場合，それを「総称的タイトル」といいます。たとえ他の雑誌との識別が困難であっても，本タイトルとしてはその総称的タイトルのみを記入し，団体名等の付記は行わないでください。
  
  
• 団体名は，責任表示あるいは出版者に記入してください。
  
  
• なお，本タイトルが総称的タイトルに当たる場合に責任表示の変更が生じたときには，新しく書誌レコードを作成しますので御注意ください(→ p. 61)。
  
  

  (例) 研究紀要 / 大塚女子文化大学 　　　年報 / 茗荷谷学園短期大学部

  
  

  総称的タイトルの例：

  
  

  ・紀要　　　　　　　　・年報
  ・研究紀要　　　　　・季報
  ・広報　　　　　　　　・月報
  ・会報　　　　　　　　・資料
  ・報告　　　　　　　　・要覧
  ・報告書　　　　　　・研究報告
  
  

  総称的タイトルとはみなさないものの例：

  
  

  ・○○大学紀要　(情報源の表示が一体となっているもの)
  ・近代文学研究
  ・熊本市勢要覧
  ・経営研究
  ・経済
  ・健康管理年報
  

[回次，年次等を含むタイトル]

• 本タイトル中に，巻次・年月次に相当する回次，年次等を含む場合は，その年次等を外したものを本タイトルとします。
  

  (例) 日本電気協会第60回通常総会研究発表会論文集 　　　　　　↓ 　　　日本電気協会通常総会研究発表会論文集

[刊行頻度を示す語を含むタイトル]

• 本タイトルと一緒に表示されている刊行頻度を示す語は，本タイトルの一部とみなします。
  

  (例) ウィークリー出版情報 　　 季刊無尽蔵

[従属タイトルの扱い]

• 同一情報源中に，すべての部編に共通するタイトル(共通タイトル)と部編名の双方が表示されている場合，共通タイトルを先に記し，”ピリオド，スペース”(．△)に続けて部編の番号付けの表示(部編記号)を記し，さらに”コンマ，スペース”(，△)に続けて部編名を記入してください。
  
  

  (例) 慶應義塾大学日吉紀要. H, 人文科学 　　　　　　　　↑　　　　　　　　 ↑　　　↑ 　　　　　共通タイトル　　　部編記号　部編名

  
  
• 部編記号がない場合は，部編記号と”コンマ，スペース”を省略します。
  
  

  (例) 久留米文学会紀要. 人文・社会科学編 　　　　　　　↑　　　　　　　　　　　↑ 　　　　共通タイトル　　　　　　　部編名

  
  
• 優先的に採用された規定の情報源中に部編名しかなく，他の情報源に共通タイトルがある場合，本タイトルとしては部編名を採用します。
  
  
• この場合，共通タイトルは「その他のタイトル」(VT)(→ p. 90)に，その他のタイトルの種類(VTK)「PT」とともに記入してください。

• 付録・補遺資料は，本体とは別の独自の巻次の番号付けを持っている場合に限り，別の書誌を作成します。「付録」等の表示は部編表示と同等の扱いをします。
  
  

  (例) 郷土研究. 資料集 　　　企業会計. 別冊

• 雑誌全体の順序付けをあらわす表示(「新編」，「第2次」等)の変更・追加の場合は，部編表示と同等の扱いをし，別の書誌を作成します。
  
  

  (例) 教育評価展望. 第2次

[複数言語による表示がある場合]

　同一情報源上に異なる言語によるタイトルの表示がある場合は，より顕著に表示されているものを本タイトルとし，残りは並列タイトルとします。

5.2.9.2 タイトル関連情報

• 規定の情報源上にある，本タイトル・並列タイトルとした以外のタイトル，あるいは本タイトルに補完・限定説明を与える語句です。
  
  
• 規定の情報源以外の情報源中にある，本タイトルの異形はタイトル関連情報とはせず「その他のタイトル」(VT)として記入しますので御注意ください。

[記入方法]

• 本タイトルの後，”スペース，コロン，スペース”(△:△)に続けて記入してください。
  
  

  (例) 看護と情報 : 看護図書館協議会会誌

[タイトル関連情報の変更・追加]

　刊行途中で，タイトル関連情報の変更や新規追加があった場合は，「その他のタイトル」(VT)として記入してください。その際，「その他のタイトルの種類」(VTK)はOHとします。変更・追加が生じたタイトル関連情報は，巻次・年月次とともに注記してください。
　また，タイトル関連情報の変更・追加はタイトル変遷の根拠とはいたしませんので御注意ください。

5.2.9.3 並列タイトル

• 規定の情報源上にある，本タイトルの別言語もしくは別文字によるタイトルです。

[記入方法]

• 本タイトルの後，”スペース，イコール，スペース”(△=△)に続けて記入してください。
  
  

  (例) 職業能力開発報文誌 = Bulletin of human resources development

[並列タイトルの変更・追加]

　刊行途中で，並列タイトルの変更や新規追加があった場合は，「その他のタイトル」(VT)として記入してください。その際，「その他のタイトルの種類」(VTK)はOHとします。変更・追加が生じた並列タイトルは巻次・年月次とともに注記してください。
　また並列タイトルの変更・追加・表示順序の変更はタイトル変遷の根拠とはいたしませんので御注意ください。

[並列タイトル関連情報]

　そのタイトル関連情報と同言語もしくは同文字による並列タイトルの後に，”スペース，コロン，スペース”(△:△)に続けて記入してください。
　そのタイトル関連情報と同言語もしくは同文字による並列タイトルがない場合は，本タイトルのタイトル関連情報として扱ってください。

5.2.9.4 責任表示

• 責任表示とは，記述対象となっている雑誌の知的もしくは芸術的内容の創造に責任を有するか，寄与している個人・団体およびその役割に関する表示です。
  
  
• 役割に関する表示とは，編集，監修等を示すものです。
  
  
• 情報源の表示形のまま記録してください。
  
  
• 略称で表示されている場合に，完綴形に直したり，表示の順序を入れ替えたりはしないでください。
  
  
• 団体名称が，内部組織を含めて表示されている時でも，そのままの形で記録してください。
  
  
• ただし，責任表示の冒頭に表示されている「株式会社」，「社団法人」等の法人組織を示す語は省略してください。
  
  

[記入方法]

• 本タイトルの後，”スペース，スラッシュ，スペース”(△/△)に続けて記入してください。
  
  

  (例) / 日本ワーグナー協会編 　　　/ 職業能力開発大学校 [編]

[個人編者]

　雑誌の個人編者に関する表示は，原則として責任表示としては記入しません。必要な場合には，注記してください(→ p. 94)。

[責任表示を独立して記入しない場合]

　責任表示が，完全な形もしくは略記形で，本タイトルもしくはタイトル関連情報の一部として表示されている場合は，情報箇所にそれとは別に責任表示が存在しない限り，責任表示を記入しないでください。

[責任表示の変更・追加]

　刊行途中で，責任表示の変更や新規追加があった場合は，変更・追加が生じた巻次年月次とともに注記してください(→ p. 94)。
　また責任表示の変更・追加はタイトル変遷の根拠とはいたしませんので御注意ください。
　ただし，総称的タイトルの場合は，タイトル変遷とし，別書誌レコードを作成します(→ p. 73)。