NACSIS-CAT和雑誌データ作成マニュアル
[目次]
[前ページ]5 書誌データ記入解説
[次ページ]5.2 各項目の記入方法
5.1 通則
5.1.1 目録規則
「日本目録規則 1987年版 改訂版」に従います。
5.1.2 書誌作成単位
以下のような場合には,それぞれ別個の書誌レコード(データシート)を作成することとします。
- (1) 本タイトルが異なるもの(従属タイトル部が異なる場合も含む)
(例) 埼玉大学紀要. 人文科学編
埼玉大学紀要. 社会科学編
|
- (2) 本タイトルが総称的で,かつ責任表示が異なるもの
(例) 紀要 / 東北女子短期大学
紀要 / 東北女子大学
|
- (3) 版表示が異なるもの
(例) Time. Pacific ed.
Time. Asia ed.
|
- (4) 資料種別が異なるもの
(例) 東洋音楽研究
東洋音楽研究 [マイクロフィルム版]
|
- (5) 複製・原本代替資料とその原本
-
- (6) 合冊誌・合刻複製版に収録されている各逐次刊行物
(例) 新興芸術 (その他のタイトル:日本モダニズムの興隆)
新興芸術研究 (その他のタイトル:日本モダニズムの興隆)
(「新興芸術」と「新興芸術研究」とは合冊されて刊行)
|
- (7) 独自の巻号付けを持つ付録・補遺資料
(例) 国立民族学博物館報告 (1巻1号-)
国立民族学博物館報告. 別冊 (No. 1-)
|
- (8) (同時期に)並行して異なる出版者から出版されたもの
(例) 統計情報インデクス / 総務庁統計局 [市販本版]
統計情報インデクス / 総務庁統計局 [公文書版]
|
5.1.3 基準とする号
- 書誌記述の基準とする号は,初号です。
- 初号が入手できない場合は,所蔵最古号に基づいて記述を行ってください。
- 初号以外の所蔵最古号に基づいて書誌を記述した場合は,その号について必ず注記してください(→ p. 93)。
- 情報源としての優先順位は,初号に近い号ほど高くなります。従って,既存の書誌データが記述の根拠としている号よりも初号に近い号を入手した場合は,その号に基づいて書誌データの書き換えを行ってください(→ p. 97)。
5.1.4 タイトル変遷の取り扱い
タイトル変遷(継続関係)
タイトル変遷(継続関係)が生じるごとに,新しい書誌レコード(データシート)を作成するとともに,変遷報告作業(→ p. 39)を行います。
以下の場合に,タイトル変遷(継続関係)が生じたと判定します。
- (1) 本タイトルに変更があった場合
- 原則として,句読点以外の変更は変遷とみなします。
ただし,新・旧字体の変更は変更とはなりません。変更後の字体については,「その他のタイトル」(→p. 90)と「一般注記」(→ p. 93)の欄に記入します。
- <注1> 従属タイトル部の変更も含みます。
(例) 教育技術. 社会科研究
↓
教育技術. 社会科指導
|
- <注2> 年代順のシリーズ表示等,当該雑誌全体の順序付けを示す表示の変更・追加は巻次の変更扱いではなく,タイトル変遷とみなします。
(第2次, 2nd series 等)
-
- (2) 本タイトルが総称的(→ p. 73)で,その責任表示が変更した場合
(例) 研究報告 / 愛知県科学教育センター
↓
研究報告 / 愛知県教育センター
|
- (3) 版表示が変更した場合
(例)Time. Pacific ed.
↓
Time. Asia ed.
|
タイトル変遷(派生関係)
ある雑誌(A)から別の雑誌(B)が分離,独立して創刊され,かつAのタイトル自体には変更がない場合にタイトル変遷(派生関係)が生じたと判定します。
タイトル変遷(派生関係)が生じるごとに,新しい書誌レコード(データシート)を作成するとともに,変遷報告作業(→ p. 39)を行います。
タイトル変遷(吸収関係)
ある雑誌(B)に別の雑誌(A)が合併され,廃刊を迎え,かつBのタイトル自体には変更がない場合にタイトル変遷(吸収関係)が生じたと判定します。
タイトル変遷(吸収関係)が生じた場合は,吸収された雑誌に対する書誌に必要な書誌修正を行うとともに,変遷報告作業(→ p. 39)を行います。
5.1.5 本タイトルの変更の判定基準
本タイトルは,次の場合に変更があったと判定します。
原則として,句読点以外の変更は,変遷とみなす。 ただし,新・旧字体の変更は変遷としない。
また,文字種(ひらがな⇔カタカナ。アルファベット⇔カタカナ等)の変更は,変遷とする。
|
5.1.6 複製版の書誌データ記入
複製版の書誌データ記入に際して,各項目(フィールド)のデータを複製版,原本のいずれから採用するかは,以下の表を参照してください(○のついた方からデータを採ります)。
項 目 | 原本 | 複製版 |
一般資料種別 (GMD) 特定資料種別 (SMD)* | × | ○ |
刊年 (YEAR)* | ○ | × |
出版国コード (CNTRY)* | × | ○ |
本タイトルの言語 (TTLL) 本文の言語 (TXTL) 原本の言語 (ORGL)* | ○ | × |
複製コード (REPRO)* | 「c」を記入 |
出版状況 (PSTAT)* 刊行頻度 (FREQ)* 定期性 (REGL)* 逐次刊行物のタイプ (TYPE)* | 記入しない |
ISSN XISSN LCCN* CODEN GPON* | × | ○ |
|
項 目 | 原本 | 複製版 |
タイトル及び 責任表示 (TR) | ○ | ×1)2) |
版に関する事項 (ED) | ×3) | ○2) |
巻次・年月次 (VLYR) | ○4) | × |
出版に関する事項 (PUB) | ×5) | ○ |
形態に関する事項 (PHYS)* | × | ○ |
その他のタイトル (VT) | ○ | ×6) |
一般注記 (NOTE) | ×7) | ○ |
価格 (PRICE)* | × | ○ |
変遷ファミリーID (FID)* 変遷注記 (BHNT)* | 記入しない7) |
書誌構造リンク (PTBL)* | 記入しない |
著者名リンク (AL)* | ○ | ○ |
統一誌名リンク (UT)* | 記入しない |
|
*を付した項目はオンライン入力にのみ関わる項目で,書誌・所蔵データシートを使用する場合は関係ありません。
1) 複製時に付与されたタイトルは,「その他のタイトル」(VT)に記入します。また,「一般注記」(NOTE)の項目にも記入してください。
2) 複製版にのみ関わる責任表示は,「版に関する事項」(ED)に「版責任表示」として記入します。
3) 原本にのみ関わる版表示関連事項は「一般注記」の項目に記入してください。
4) 部分的な復刻は,復刻された範囲に対応する原本の巻次年月次を記入してください。
5) 原本の出版事項は,「一般注記」の項目に記入してください。
6) 合刻複製版の場合は共に合冊されている他の逐次刊行物のタイトル,原本の出版事項,原本の変遷関係等についても注記してください。
7) 原本間に変遷関係があっても,複製版書誌レコード間の変遷注記用データシートは作成しません。原本間の変遷関係については注記してください。
以上の「一般注記」に関しては,「2.14
一般注記 7. 複製版についての注記」(→ p. 95)を参照してください。
注意事項
- 合刻複製版の場合は,収録されている個々の逐次刊行物ごとに書誌レコードを作成することに注意してください。
5.1.7 表記
(1) 表記の原則は,目録対象資料に表示されているままの転記です。
(2) 区切り記号法は原則としてISBD区切り記号法に従います。
(3) 欧文タイトルにおける大文字使用法は各言語の慣習に従います(AACR2 付録A及びB参照)
(4) 文字の使用方法
- ローマ字,ギリシャ文字,キリル文字は原綴のまま記入します。各種音標符号はそのまま転記してください。旧漢字で表記されているものは,その文字を使用します。
(5)記入方法
- データシートへの記入はなるべくタイプかワープロを使用してください。ワープロ等で印字したものを,データシートに添付しても構いません。ただし,特殊な文字(音標符号付文字等)の場合は手書きでも結構です。
注意事項 (オンライン登録時)
- 平成12年1月以降,総合目録データベースで使用する文字セットはUCS化されました。このため,特殊な文字等がUCSに含まれ,使用するクライアントがUCS対応していれば,UCSで登録します。コードで登録する場合,Uを冒頭につけた4桁のUCS番号を黒菱(◆)で囲んだ形(例 ◆U0011◆ )で登録してください。
- ただし,UCS文字を表示できないクライアントの場合,暫定的に,基本辞書の番号やLC方式の翻字形を黒菱(◆)で囲んだ形で登録することも可能です。
*以上はオンラインシステムニュースレター No.70参照のこと。
- 著者名典拠の統一標目形においては,AACR2に基づく名称はローマ字で表記します。従って,ロシア人,ギリシャ人等の統一標目形をキリル,ギリシャ文字で作成しないようにしてください。
ページの先頭