NACSIS-CAT和雑誌データ作成マニュアル
[目次]
[前ページ]5.2.14 一般注記 (NOTE)
[次ページ]6 データ送付による所蔵データ提出
5.3 書誌修正の方法
現在の総合目録書誌データには,従来の調査における記入上の基準が現在と異なっていた等の理由により,データが不備あるいは不適当な場合があります。そこで以下にデータを修正・更新する上での指針を掲載するとともに,現書誌データで見られる不備な点を述べます。
5.3.1 修正の原則 (初号主義)
- (1) 雑誌情報源の優先順位(初号主義)
- ○ 初号主義 :書誌レコードは,初号に基づいて記述を行う。初号がなければ,所蔵する号のうち,一番古い号(所蔵最古号)に基づいて記述を行う。
- ○ 優先順位の原則 :書誌レコードのデータの情報源としては,より古い号を優先する。
- ◎初号を所蔵していないと,記入できないデータがある。
- 出版開始年 (YEARフィールド) + 初号巻次・年月次 (VLYRフィールド) + 初号出版日付 (PUBフィールド)
- ◎初号以外の号に基づいて記述が行われた場合
- 記述の根拠となった号を注記(NOTEフィールド)する。
- 例) 「記述は5号 (平11)による」
- (2) 雑誌書誌修正の基本指針
- 既存の書誌レコードに記述されているデータと,手元の資料に記載されているデータが一致しない場合
原則:記述の根拠としている号よりも古い号を所蔵している場合は,より古い号によって各記述フィールドのデータを書き換える。逆に,より新しい号を所蔵している場
合は,書き換えを行ってはいけない。代わりに注記(NOTEフィールド)する。
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- 例外: ISSNなど一部のコードでは,常に最新の情報に基づいて記入する。
5.3.2 修正の実際
- (1) 既存データと,より古い号のデータが一致しない場合
- より古い号のデータによって各記述項目のデータを書き換えます。
- 記述根拠号に関する一般注記をより古い号に改めます。
- 既存のデータは,その表示のあった巻次・年月次とともに一般注記に残します。
- より古い号によって,特に追加・変更・訂正箇所がない場合でも,一般注記の記述の根拠とした号表示は,必ず古い号に書き換えてください。
[注意]
- 初号を入手し,それによって修正を行う場合,上記に加えて以下の2つの作業も行ってください。
- 1. 初号の巻次・年月次データ及び出版日付データを追加
- 2. 一般注記に記入された記述根拠号に関する注記を削除
- (2) より新しい号の資料表示において追加・変更がある場合
- より新しい号によって,既存のデータを書き換えることはできません(コード類は除く)。
- より新しい号において,責任表示・出版事項等に追加・変更が生じた場合はデータの根拠となった号の巻次・年月次とともに一般注記に記入してください。
- なお,出版終了年(YEAR2),終号巻次・年月次(VLYR)及び終号出版日付(PUBDT)は終号によって修正します。
5.3.3 慎重な修正が必要な項目
以下に示す,書誌作成単位に関わる項目の修正は特に慎重に行ってください。元の書誌レコードとは結果的に全く別の書誌レコードに書き換えてしまう可能性があります。
一般資料種別 (GMD)
特定資料種別 (SMD) (オンライン館のみ)
タイトル及び責任表示 (TR)
版表示 (ED)
出版事項 (PUB)
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5.3.4 現書誌データの問題点
以下の項目に関しては,初号または最古号所蔵館での再確認をできる限りお願いします。自館での確認・修正ができない項目に関しても,修正すべき事項がありましたら,事項の指摘と情報源の提供をお願いします。研究所において確認・修正を行ないます。
(1) 書誌作成単位
- 書誌作成単位の基準に合致していないケースがあります。
- 特に,総称的タイトルにおいて,責任表示が変更しているにも関わらず,別書誌が作成されていないケースが多く見られます。
- タイトル変更の基準に合致していないケースがあります。
(2) 資料種別表示 (GMD,SMD)
(3) 言語コード (TTLL,TXTL)
- テキストの言語コードについて,テキスト中で複数の言語が使用されているにも関わらず,単一のコードの記入しかないか,“mul”で代用されているケースが目立ちます。
- 特にTXTLにおいて,必要な記入がないケースが目立ちます。
(4) タイトルおよび責任表示に関する事項 (TR)
- 必要な責任表示の記入が存在しないデータが目立ちます。
- 本タイトル・タイトル関連情報・並列タイトルが混同されている場合があります。それぞれ,適切な位置に記入するようにしてください。
- 特に総称的タイトルの場合に,責任表示として記入する必要のある団体名を,タイトルの一部として記入しているケースがあります。
- 版表示がタイトル中に記入されている場合があります。
- タイトル中に記入する必要のある共通タイトルが,その他のタイトルとして記入されている場合があります。また,共通タイトルと従属タイトルの記入方法が誤っている場合があります
- 目録対象資料上の表記のまま転記を行うべきところに,省略形が使用されている場合があります。
- ロシア語やギリシア語等の雑誌のデータが翻字形で記入されていることがあります。音標符号がつくべきローマ字で,音標符号のないものがあります。
(5) 版に関する事項 (ED)
- 版表示と付加的版表示の区切りとして“カンマ,スペース”以外の記号が使用されているケースがあります。
- 巻次年月次として記入する必要のある表示が版表示として記入されている場合があります。
(6) 巻次年月次 (VLYR)
- 巻次,年月次の一方の記入しか存在しないデータが相当数見られます。
- 刊行途中で巻次の変更が生じているにもかかわらず,必要なデータの記入がない場合があります。
(7) 出版に関する事項 (PUB)
- 全くデータが存在しないか,あるいは出版地の記入しかないデータが相当数存在します。
- 本来初号あるいは所蔵最古号の出版に関するデータを記入する必要があるにもかかわらず,初号あるいは所蔵最古号以降の号によるデータが記入されている場合があります。
(8) その他のタイトル (VT)
- タイトルの種類コードの付与方法に誤りがあるものが相当数みられます。
特に初号あるいは所蔵最古号以降の号に表示されているその他のタイトルについては,タイトルの表示箇所にかかわるコードは使用できません。
(9) 一般注記 (NOTE)
- 初号以外の号に基づいて書誌の記述が行われているのにも関わらず,記述の根拠とした号の注記が存在しないデータがあります。
- タイトルの種類コードに「OH」が記入されているにも関わらず,その他のタイトルの性質,表示巻号,表示箇所についての注記が存在しないデータが相当数存在します。
- 初号あるいは所蔵最古号以降の号において,出版地,出版者,責任表示,並列タイトル,タイトル関連情報等に変更が生じているにもかかわらず,変更についての注記が存在していないデータがあります。
(10) その他
- 略語,大文字使用法が誤っているデータが見られます。
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