目録システムコーディングマニュアル(NCR2018対応版)


[目次]
[前ページ] 4.1.21 GPON
[次ページ] 4.2.2 ED

4.2.1 TR

4.2.1A 〔形式〕

TR 入力レベル 属性 フィールド長 繰り返し数
(Group Field)
タイトル及び責任表示に関する事項
必須1 可変長    1
   タイトル、責任表示    (可変長) (1024バイト) (1)
 本タイトル (必須1) (無)
 タイトル関連情報 (必須2) (有)
 並列タイトル (必須2) (有)
 並列タイトル関連情報 (選択) (有)
 責任表示 (必須2) (有)
 並列責任表示 (選択) (有)
タイトルのヨミ*1    (可変長) (1024バイト) (1)
 本タイトルのヨミ (必須2) (無)
 タイトル関連情報のヨミ (必須2) (有)
 並列タイトルのヨミ (必須2) (有)
 並列タイトル関連情報のヨミ (選択) (有)
タイトルのその他のヨミ*1 (選択) (可変長) (1024バイト)   (2)

*1ヨミは,和資料および洋資料でタイトル中に日本語が現れた場合などに記録する。

4.2.1B 〔記述文法〕

 記述文法については,「付録6.3 雑誌書誌データの記述文法」を参照のこと。

4.2.1C 〔区切り記号〕

ア)区切り記号の前後にスペースを置く。
イ)並列タイトルの直前に,スペース,イコール,スペース (△ = △) を置く。
ウ)従属タイトル部の直前に,ピリオド,スペース ( . △) を置く。従属タイトル部が順序表示と従属タイトルからなる場合は,順序表示と従属タイトルの間に,コンマ,スペース(,△)を置く。
エ)タイトル関連情報の直前に,スペース,コロン,スペース (△ : △) を置く。
オ)最初の責任表示の直前に,スペース,スラッシュ,スペース (△ / △) を置く。
カ)2番目以降の各責任表示直前に,スペース,セミコロン,スペース (△ ; △) を置く。
キ)タイトルのヨミを記録する場合は,ヨミの直前に,ストローク,ストローク(||)を置く。

4.2.1D 〔フィールド内容とデータ要素〕

 TRフィールドには,目録対象資料の本タイトル,タイトル関連情報,責任表示,及び,必要に応じて,タイトル(本タイトルとタイトル関連情報を含む)のヨミ・その他のヨミを,フィールド中のデータ要素として記録する。
 それぞれのデータ要素に対応する並列データ要素は,1あるいは複数存在することがある。
 タイトル関連情報および責任表示は,1あるいは複数存在することがある。

4.2.1E 〔データ要素の情報源〕

 TRフィールドのデータ要素の情報源は,和逐次刊行物は,初号の表紙,タイトル・ページ(タイトル・ページ裏を含む),キャプション,奥付,背またはジャケットの順で採用する。洋逐次刊行物は,初号のタイトル・ページを優先情報源として使用する。タイトル・ページがない場合は,表紙,キャプション,マストヘッド,奥付,背の順で採用する。初号がない場合は,所蔵する最も古い号とする。
 ただし,責任表示は,本タイトルと同一の情報源から優先して採用する。同一の情報源から選定できない場合は,本タイトルの情報源の優先順と同様の順で選定する。

4.2.1F 〔データ記入及び記入例〕

F1 (本タイトル)

 本タイトルは,記述対象とする逐次刊行物全体を通じて共通し,他の資料と同定識別できる固有の名称である。

F1.1 (データ記入の原則)

 本タイトルは,原則として,表示されているままを記録する。
 大文字使用法は,NCR2018の付録A.2を採用する。付録A.2で規定していない事項は,当該言語の慣用に従う。

 和逐次刊行物については,タイトル・ページよりも表紙を優先し,次の優先順位で優先情報源を選定する。

a) 表紙
b) タイトル・ページ
c) キャプション
d) 奥付
e) 背

洋逐次刊行物については,タイトル・ページがある場合は,これを優先情報源として使用する。

 優先情報源として選定した情報源以外の箇所に表示されているタイトルは「その他のタイトル」として,表示箇所を示す「タイトルの種類コード」と共に,VTフィールドに記録する。(→ 付録1.4 タイトルの種類コード表

TR:100万人の音楽通信||100マンニン ノ オンガク ツウシン 
TR:ABC研究||ABC ケンキュウ
TR:きよめの友||キヨメ ノ トモ
TR:ダイヤモンド経済情報||ダイヤモンド ケイザイ ジョウホウ 
TR:愛知學藝雜誌||アイチ ガクゲイ ザッシ
TR:雨情会々報||ウジョウカイ カイホウ 
TR:鐵道省年報||テツドウショウ ネンポウ 
TR:ATZ
TR:Annual report 
TR:Le monde
TR:Boston evening transcript 
TR:Journal 
TR:Unesco- Asia
TR:100 idées
TR:The geological magazine, or, Monthly journal of geology
 本タイトルを,和逐次刊行物は表紙,洋逐次刊行物はタイトル・ページ以外の箇所から採用した場合,その場所をNOTEフィールドに記録する。(→ 4.2.7F3.2.1

F1.2 (完全形と省略形)

 いずれも表示されているときは,完全形のタイトルを記録する。

TR:Linguistics and language behavior abstracts : LLBA
(優先情報源に完全形および「LLBA」と表示されている)

F1.3 (2つ以上の言語で表示されている場合)

 同一情報源に異なるタイトルの表示がある場合,主な内容で使われている言語または文字種によるタイトルを本タイトルとして記録する。
 内容が言語表現によらない資料,または主な内容が一言語でない資料の場合は,情報源での表示順序,配置,デザイン等に基づいて本タイトルを選定する。
 本タイトルとして記録しなかったものは,並列タイトルとする。

F1.4 (団体名が本タイトルの一部であるかどうか判断できない場合)

 情報源にタイトルと共に表示されている団体名(またはその略語)が,本タイトルの一部であるかどうか判断できない場合,その逐次刊行物の他の箇所の表示を参考にする。つまり,その団体名が他の箇所でもタイトルと共に表示されている場合は,本タイトルと判断し,本タイトルに含めて記載する。

F1.5 (回次・日付などを含むタイトル)

 本タイトル中に,号ごとに変わる回次,日付,名称などが含まれる場合は,この部分を省略記号(...)に置き換える。

TR:日韓歴史共同研究プロジェクト第…回シンポジウム報告書||ニッカン レキシ キョウドウ ケンキュウ プロジェクト ダイ…カイ シンポジウム ホウコクショ
(各巻の情報源の表示: 第11回,第12回などの回次が変化)
TR:Proceedings of the ... International Seaweed Symposium 
TR:Report on the ... Conference on AIDS and Alternative Medicine
ただし,TR:Annual report とし,... annual report とはしない。

F1.6 (刊行頻度を示す語)

 タイトルと一緒に表示されている刊行頻度を表す語は,同定識別上の必要があれば本タイトルの一部とみなすことができる。
 表示の仕方が本タイトルの一部かどうか紛らわしい場合は,並列タイトルや他の箇所に表示されているタイトルの形を参考にする。

TR:週刊朝日||シュウカン アサヒ
TR:The Atlantic monthly 
TR:Weekly market bulletin

F1.7 (別タイトル)

 情報源に表示されている別タイトルは,本タイトルの一部として表示されている場合は本タイトル,サブタイトルとして表示されている場合はタイトル関連情報として記録する。

F2 (従属タイトル)

 本タイトルは,部編に共通するタイトルと,個々の部編,補遺等のタイトルおよび(または)順序表示から構成される場合がある。
 この部編に共通するタイトルを「共通タイトル」,部編,補遺等のタイトルを「従属タイトル」という。
 共通タイトルと従属タイトルおよび(または)順序表示は,原則として同じ情報源上に表示されていなければならない。

F2.1 (データ記入の原則)

 「従属タイトル」および(または)「順序表示」を含む部分を「従属タイトル部」という。共通タイトルと従属タイトル部は,ピリオド,スペース(.△)で区切って記録する。
 このような場合は,優先情報源に表示された本タイトル各部分の構成順序にこだわらない。

F2.2 (順序表示がある場合など)

 従属タイトル部が,順序表示と従属タイトルからなる場合は,その間をコンマ,スペース(,△)で区切って記録する。

TR:愛媛大學紀要. 第一部, 人文科學||エヒメ ダイガク キヨウ. ダイ1ブ, ジンブン カガク
TR:Proceedings of the National Science Council, Republic of China. Part D, Mathematics, science and technology education

 従属タイトル部が2以上の階層を持つ場合は,上位にあたるものから順に,ピリオド,スペース(.△)で区切る。

TR:金沢大学教育学部紀要. 自然科学編. 地学教室業績||カナザワ ダイガク キョウイク ガクブ キヨウ. シゼン カガクヘン. チガク キョウシツ ギョウセキ
TR:Memoirs of the Faculty of General Education, Kumamoto University. Natural sciences. Part 1, Mathematics

 表示の仕方が順序表示,従属タイトルに該当するか紛らわしい場合は,その逐次刊行物における表示の継続性,安定性により判断する。

F2.3 (独自のタイトルを持つ部編資料)

 別個に出版され,独自のタイトルを持ってはいるが,他の逐次刊行物の部編にあたる出版物の場合,優先情報源に共通タイトルが表示されていれば,それらを組み合わせた形で本タイトルを記録する。

TR:Transactions of the ASME. Journal of dynamic systems, measurement and control
 優先情報源に共通タイトルが表示されていない場合は,従属タイトルだけをTRに記録する。共通タイトルは「その他のタイトル」として,VTフィールドにタイトルの種類コード(PT)とともに記録する。(→ 4.2.6F5.1)ただし,共通タイトルが優先情報源以外の箇所にしか表示されておらず,従属タイトルがそれ単独では独自のタイトルとならない場合は,例外として,共通タイトルと従属タイトルがともに表示されている箇所を本タイトルの情報源とし,それらをあわせたものを本タイトルとして記録する。(NACSIS独自規定)
 これらの情報源については,NOTEフィールドに記録する。(→ 4.2.7F3.2.1 ア)
NOTE:共通タイトル部は奥付による 

F2.4 (共通タイトルが不安定な場合)

 共通タイトルが従属タイトルと同一情報源上にあったりなかったりする場合,または号によって表現がまちまちである場合,この共通タイトルはTRフィールドには記録せず,VTフィールドに「タイトルの種類コード」(PT)と共に記録する。(→ 4.2.6F5.2

F2.5 (従属タイトルが優先情報源上にない場合)

 優先情報源上に共通タイトルが表示され,目録対象資料の他の箇所に従属タイトルおよび(または)順序表示がある場合は,従属タイトル部を角括弧([])に入れて補記し,その情報源をNOTEフィールドに記録する。

TR:国際関係研究. [特集編]||コクサイ カンケイ ケンキュウ. トクシュウヘン
NOTE:従属タイトル部は奥付による
TR:Neumanns Jahrbuch der deutschen Versicherungswirtschaft. [Teil 2, Schaden- und Rückversicherung]
NOTE:Title of the section on cover and spine, 1961 (1961)-1963 (1963); on title page, 1964 (1964)-1976 (1976)

F2.6 (付録・補遺資料)

 優先情報源に,ある逐次刊行物のタイトルとその付録や補遺であることを示す表示がある場合,本体にあたる逐次刊行物のタイトルを共通タイトルとして記録し,ピリオド,スペース(.△)に続けて,付録や補遺である表示を記録する。
 ただしこれは,付録や補遣が本体とは別の独自の巻号付けを持つ場合に限る。
 本体と同一の巻号付けを持つ場合は,原則として別データを作成しない。

TR:埼玉大学紀要. 増刊||サイタマ ダイガク キヨウ. ゾウカン
TR:Management international review. Special issue Growth. Supplement

 また,付録や補遺を示す語が,本体のタイトルと結びついて1つのタイトルになっている場合は,その表示の通りに記録する。

TR:別冊みづゑ||ベッサツ ミズエ
TR:Supplement zur allgemeinen Forst und Jagdzeitung

F2.7 (独自のタイトルを持つ付録・補遣資料)

 付録や補遺が独自のタイトルを持っていて,優先情報源上に本体の付録・補遺であることを示すタイトル名とともに表示されている場合がある。この時,目録対象資料の他の箇所に表示されている形や,同じ本体に属する他の付録・補遺資料を参考にし,下記のいずれかの方法をとる。

a. この独自のタイトルを本タイトルとして記録する。
b. 本体となる逐次刊行物のタイトルの後ろに,従属タイトルとして記録する。
b)で記録された逐次刊行物の刊行途中に本体のタイトルに重要な変化が生じた場合は,タイトル変遷とはせず,a)の方法で全体を記録しなおす。
(従属タイトルとして記録した場合)
TR:European economy. Supplement ser. B, Economic prospects-business survey results

F2.8 (逐次刊行物全体の順序づけを表す表示)

 「新編」,「II」,「New series」あるいはこれと類似した,年代順のシリーズ呼称を表す表示があり,シリーズ等に独自の巻次がある場合,順序づけを表わす表示を従属タイトルとして記録する。(NACSIS独自規定)(→ 4.0.1A1

TR:科學技術文献總覽. 新輯||カガク ギジュツ ブンケン ソウラン. シンシュウ
TR:エピステーメー. II||エピステーメー. 2
TR:海外大学経営セミナー報告書. 第2次||カイガイ ダイガク ケイエイ セミナー ホウコクショ. ダイ2ジ
TR:Bulletin of the Brooklyn Public Library. New series 
TR:Gelehrte Anzeigen. II
TR:Drama. Ser. 3

F2.9 (逐次刊行物全体の順序づけを表わす表示の追加・変化・削除)

 逐次刊行物全体の順序づけを表わす表示の追加・削除・変化があった場合,巻次変更を伴わないかぎりタイトル変遷とはしない。追加・削除・変化後のタイトルについては,必要に応じてVTフィールド(タイトルの種類コード:OH),NOTEフィールドに記録する。(NACSIS独自規定)

TR:早稲田文学. 第8次||ワセダ ブンガク. ダイ8ジ
VT:OH:早稲田文学. 第9次||ワセダ ブンガク. ダイ9ジ
NOTE:シリーズ表示の変化: 第8次 (-no. 251 (1997.4))→第9次 (no. 252 (1997.5)-)
TR:Science. New series
VT:OH:Science
NOTE:Volumes for 1946- designation of New series not appeared

F3 (並列タイトルおよび並列タイトル関連情報)

 並列タイトル及び並列タイトル関連情報は,本タイトル及びタイトル関連情報として選定されたタイトルに対応して,そのタイトルの別言語及び(又は)別の文字で所定の情報源中に表示され,本タイトルと同等の意味を持っているものである。そのうち,本タイトル等と同一情報源に表示されているもののみを並列タイトルとしてTRフィールドに記録することができる。

F3.1 (データ記入の原則)

 並列タイトルは,本タイトルに続けて記録する。
 本タイトルと並列タイトルは,スペース,イコール,スペース(△=△)で区切って記録する。
TR:シュトイエル = Steuer||シュトイエル
TR:Lumière = 季刊映画リュミエール||Lumière = キカン エイガ リュミエール
TR:Neue Technik = New techniques
TR:Revue européenne de droit de la consommation = European consumer law journal = Revista europea de derecho del consumo
TR:Trade of Canada. Imports by commodities = Commerce du Canada. Importations par marchandises
 並列タイトルが並列タイトル関連情報を伴う場合,並列タイトルと並列タイトル関連情報は,スペース,コロン,スペース(△:△)で区切って記録する。
TR:京都大学情報環境機構年報 : 自己点検評価報告書 = Annual report of the Institute for Information Management and Communication, Kyoto University : self-study report||キョウト ダイガク ジョウホウ カンキョウ キコウ ネンポウ : ジコ テンケン ヒョウカ ホウコクショ

F3.2 (優先情報源以外の並列タイトル)

 優先情報源以外の箇所に表示されている別言語・別文字タイトルは,TRフィールドに記録しない。これは「その他のタイトル」と見なし,表示箇所を示すタイトルの種類コードとともにVTフィールドに記録する。(→ 4.2.6F7

F3.3 (複数の並列タイトルおよび(または)並列タイトル関連情報)

 並列タイトルを記録する場合,異なる言語・文字による複数の並列タイトルのうち,最初に表示された並列タイトル,あるいは最も顕著に表示された並列タイトルは必ず記録する。
 それ以外の並列タイトルを記録する場合,情報源での表示順序,配置,デザイン等に基づいて判断した順に記録する。

F3.4 (日本語の並列タイトル)

 並列タイトルに日本語のタイトルが含まれている場合は,その語句のヨミによる検索が可能となるように,そのヨミを規定に従って記録する。
 またこの時,漢字形のキーワード作成を正しく行うために,本タイトル(欧文形)のヨミも記録する。(NACSIS独自規定)

TR:Journal of the Faculty of Science, University of Tokyo. Sect. 5, Anthropology = 東京大學理學部紀要. 第5類, 人類||Journal of the Faculty of Science, University of Tokyo. Sect. 5, Anthropology = トウキョウ ダイガク リガクブ キヨウ. ダイ5ルイ, ジンルイ

F3.5 (並列タイトルおよび(または)並列タイトル関連情報の変更・追加)

 刊行途中で並列タイトルおよび(または)並列タイトル関連情報の変更や追加があった場合は,TRフィールドには記録せず,「その他のタイトル」として,「タイトルの種類コード」(OH)と共にVTフィールドに記録する。
 また,変更・追加のあった巻次・年月次と共にNOTEフィールドに記録する。(→ 4.2.7F3.2.1 ウ))
 並列タイトルおよび(または)並列タイトル関連情報の変更・追加・表示順序の変更は,タイトル変遷の根拠とはならない。(→ 4.0.1

F4 (タイトル関連情報)

 タイトル関連情報は,本タイトルと同一の情報源上に表示された,本タイトル及び並列タイトル以外のタイトル,あるいは本タイトルに補完,限定説明を加える語句である。

F4.1 (データ記入の原則)

 タイトル関連情報は,それの関わる本タイトルに続けて記録する。
 本タイトルとタイトル関連情報は,スペース,コロン,スペース(△:△)で区切って記録する。並列タイトルや責任表示がある場合は,その前に記録する。

TR:おんかん : 音楽鑑賞教育振興会会報||オンカン : オンガク カンショウ キョウイク シンコウカイ カイホウ
TR:海潮音 : 英文學雜誌||カイチョウオン : エイブンガク ザッシ
TR:FEBS letters : for the rapid publication of short reports in biochemistry, biophysics and molecular biology

F4.2 (本タイトルと対応していない別言語タイトル)

 本タイトルと意味的に対応していない別言語・別文字タイトルは,タイトル関連情報として扱う。

F4.3 (優先情報源以外にある本タイトルと異なる形のタイトル)

 優先情報源以外にある本タイトルの異形は,タイトル関連情報として記録せず,「その他のタイトル」と見なして,表示箇所を示す「タイトルの種類コード」と共にVTフィールドに記録する。(→ 4.2.6D2

F4.4 (複数のタイトル関連情報)

 複数のタイトル関連情報は,情報源での表示順序,配置,デザイン等に基づいて判断した順で記録する。

TR:外国語科教育 : 教員養成学部教官研究集会 : 外国語科部会研究要録||ガイコクゴカ キョウイク : キョウイン ヨウセイ ガクブ キョウカン ケンキュウ シュウカイ : ガイコクゴカ ブカイ ケンキュウ ヨウロク
TR:Q : question : the independent political review : arts, business, science

F4.5 (タイトルの完全形と省略形)

タイトルの完全形と省略形において,省略形のタイトルが完全形のタイトルと共に表示されている場合,省略形をタイトル関連情報として記録する。(→ 4.2.1F1.2

TR:Jornal Brasileiro de medicina : J.B.M.

F4.6 (タイトル関連情報の変更・追加)

 タイトル関連情報の変更や追加があった場合は,TRフィールドには記録せず,「その他のタイトル」として,「タイトルの種類コード」(OH)と共にVTフィールドに記録する。
 また,NOTEフィールドに変更・追加のあった巻次・年月次と共に記録する。(→ 4.2.7F3.2.1 エ)
 タイトル関連情報の変更・追加・表示順序の変更は,タイトル変遷の根拠とはならない。

F5 (責任表示)

 責任表示は,資料の知的・芸術的内容の創作または実現に,責任を有するか寄与した個人・家族・団体に関する表示である。ただし、逐次刊行物において個人は責任表示として記録しない。(→ 4.2.1F5.6

F5.1 (データ記入の原則)

 責任表示は,情報源の表示形のまま記録する。役割を示す語句が表示されていない場合に,その役割を明らかにする必要があるときは,役割を示す語句を補記する。
 責任表示は,タイトルの後に,スペース,スラッシュ,スペース(△/△)で区切って記録する。
 団体名称が,内部組織を含めて表示されている時でも,そのままの形で記録する。
 識別上必要な場合以外,団体名に含まれる法人組織などを示す語は省略する。

TR:音楽雑誌フィルハーモニー / 日本交響楽団 [編]||オンガク ザッシ フィルハーモニー
TR:住宅用地完成面積調査報告 / 建設省建設経済局調査情報課 [編]||ジュウタク ヨウチ カンセイ メンセキ チョウサ ホウコク
TR:Nyasaland journal / Nyasaland Society

 情報源に責任を有するものの表示が複数あり,それらが同一の名称,役割を示す語句を複数の言語または文字種で表示しているだけの場合は,内容と同一の言語または文字種によるものを記録する。
 内容と同一の言語または文字種による表示がない場合は,最初に表示されているものを記録する。

F5.2 (完全な形では表示されていない責任表示)

 優先情報源に責任表示が簡略形や別言語・別文字表記でしか表示されていない場合は,他の箇所から完全な形がわかっていても,表示されているそのままの形を記録する。
 目録担当者の判断で合成・補完・翻訳・翻字などを行ってはならない。
 そのような表示が必要なときは,ALフィールドまたは該当著者名典拠データのSFフィールドに記録する。

TR:STERA : satellite television radio : NHKウィークリーステラ / NHK [編]||STERA : satellite television radio : NHK ウィークリー ステラ
AL:日本放送協会||ニホン ホウソウ キョウカイ
TR:Human development report / UNDP 
AL:United Nations Development Programme

F5.3 (責任表示の変更・追加)

 刊行途中で責任表示の変更や追加があった場合や,途中の号から表示された場合は,TRフィールドには記録せずに,NOTEフィールドに変更・追加のあった巻次・年月次と共に記録する。(→ 4.2.7F3.2.2 イ)

TR:SELLA / 白百合女子大学英文学会 [編]
NOTE:責任表示の変更: 白百合女子大学英文学会(1号 (1972)-23号 (1994))→白百合女子大学英語英文学会 (24号 (1995)-)

F5.4 (総称的タイトルの責任表示)

 本タイトルが総称的(ジェネリック)なものである場合は,識別のために責任表示を必ず記録する。もし情報源に責任表示がない場合は,角括弧に入れて補記する。(NACSIS独自規定)(→ 4.0.3

TR:研究紀要 / 宮城県高等学校社会科教育研究会紀要編集委員会 [編集]||ケンキュウ キヨウ
TR:年報 / [千葉県立大利根博物館編集]||ネンポウ
TR:Journal / American Academy of Actuaries

F5.5 (総称的タイトルの責任表示の変更)

 責任表示の変更・追加はタイトル変遷の根拠とはならないが,本タイトルが総称的(ジェネリック)である場合は,別書誌データを作成する。(NACSIS独自規定)(→ 0.2.3[TR]4.0.1A24.0.3

TR:Annual report / Chamber of Shipping of the United Kingdom 
TR:Annual report / General Council of British Shipping

F5.6 (個人に関する責任表示)

 情報源に個人編者に関する責任表示があっても,これを責任表示として記録しない。必要ならば,NOTEフィールドに記録する。(→ 4.2.7F3.2.2 オ)

TR:早晩廢刊雜誌||ソウバン ハイカン ザッシ
NOTE:主筆: 宮武外骨

F5.7 (タイトル及びタイトル関連情報中の責任表示団体)

 責任表示に該当する団体名が本タイトルまたはタイトル関連情報の一部として表示されていても,タイトルとは独立した責任表示が優先情報源上にないかぎり,それを責任表示として記録しない。

TR:電気通信学会全国大会講演論文集||デンキ ツウシン ガッカイ ゼンコク タイカイ コウエン ロンブンシュウ
TR:Mark Twain Society bulletin

F5.8 (団体名の役割表示)

 団体名の役割に関する表示が,団体名と一体となって表示されていれば,それを含めたもの("edited by ○○"など)を責任表示として記録する。
 ただし,"Editor: ○○"などと,役割に関する表現が団体名と一体となって表示されていない場合や,全く表示されていない場合,必要があれば団体名の前に補記する。

TR:Human factors in computing systems : CHI ... Conference proceedings / sponsored by the ACM Special Interest Group on Computer ...

F5.9 (複数の責任表示)

 同じ役割の責任表示が複数ある場合は,個々の責任表示を,コンマ,スペース(,△)で区切って,所定の情報源における表示で記録する。
 役割の異なる責任表示が複数ある場合は,役割の異なる責任表示を,スペース,セミコロン,スペース(△;△)で区切って記録する。

F6 (並列責任表示)

 並列責任表示は,対応する並列タイトルと同一の情報源上に表示された,責任表示として記録したものの,異なる言語および(または)文字種による同一内容の表示である。

F6.1 (データ記入の原則)

 並列責任表示は,それの関わる並列タイトルに続けて記録することができる。
 並列タイトルと並列責任表示は,スペース,スラッシュ,スペース(△/△)で区切って記録する。

 情報源に,本タイトルに関係する並列責任表示が複数の言語および(または)文字種で表示されている場合は,対応する並列タイトルと同一の順に記録する。対応する並列タイトルが存在しない場合などは,表示されている順に,本タイトルに関係する責任表示に続けて,スペース,イコール,スペース,スラッシュ,スペース(△=△/△)で区切って記録する。

TR:Newsletter to European health librarians / European Association for Health Information and Libraries = / Association européenne pour l'informatiom et les bibliothèques de santé

F7 (タイトルのヨミ,タイトル関連情報のヨミ)

 タイトルやタイトル関連情報(並列タイトル及び並列タイトル関連情報を含む)のヨミおよびその他のヨミは,必要に応じて,それに対応する読み方を記録する。
 ヨミの表記法については,「目録情報の基準(第6版)」11.3 (ヨミの表記及び分かち書き規則)による。
 その他のヨミの記録については,当該言語の規定に従う。

4.2.1G 〔フィールドの繰り返し〕

 フィールドの繰り返しはない。

4.2.1H (選択事項)

H1 (並列タイトル関連情報)

 並列タイトル関連情報を記録するかどうかは,各参加組織が選択できる。

H2 (並列責任表示)

 並列責任表示を記録するかどうかは,各参加組織が選択できる。

4.2.1I 《注意事項》

 大文字使用法は,NCR2018の付録A.2を採用する。
 付録A.2で規定していない事項は,当該言語の慣用に従う。(→ 4.2.1F1.1


[ページの先頭]