目録システムコーディングマニュアル(NCR2018対応版)


[目次]
[前ページ]2.2.2 ED
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2.2.3 PUB

2.2.3A 〔形式〕

PUB 入力レベル 属性 フィールド長 繰り返し数
(Group Field)
出版等に関する事項
必須1 可変長   4
  出版地等*1 (必須2*2 (可変長) (254バイト) (有*3
出版者等*1 (必須2*2 (可変長) (254バイト) (有*3
出版日付等*1 (必須2*2 (可変長) (254バイト) (有*3
役割表示コード*4 (必須2) (固定長) (1バイト) (有*3

*1頒布地、製作地、制作地 、頒布者、製作者、制作者、頒布日付、製作日付、制作日付を含む。
*22番目以降の出版、頒布、製作、制作にかかるエレメント及び著作権日付の入力レベルは「選択」である。
*3出版地と出版者(あるいは頒布地と頒布者、製作地と製作者)との組合せが対になって一つのPUBフィールド内で複数回繰り返されることはない。
そのような場合は、PUBフィールド自体を4回まで繰り返すことができる。
*4出版表示にはコードを記入しない。頒布表示、製作表示、制作表示、著作権日付にはコードを記入する。(→ 付録1.6 出版等に関するコード表

2.2.3B 〔記述文法〕

記述文法については、「付録6.1 図書書誌データの記述文法」を参照のこと。

2.2.3C 〔区切り記号〕

ア)2番目以降の出版地・頒布地等の前にはスペース、セミコロン、スペース(△;△)を置く。
イ)出版者、頒布者等の前にはスペース、コロン、スペース(△:△)を置く。
ウ)出版日付・頒布日付等の前には、スペース、コンマ、スペース(△,△)を置く。
エ)製作表示の区切り記号はア)からウ)に準拠する。

2.2.3D 〔フィールド内容とデータ要素〕

 PUBフィールドでは、目録対象資料の出版表示、頒布表示、製作表示、制作表示及び著作権日付を扱う。出版地・頒布地等、出版者・頒布者等、出版日付・頒布日付等をデータ要素として記録し、出版表示以外については、役割表示コードも記録する。

2.2.3E 〔データ要素の情報源〕

 PUBフィールドのデータ要素の情報源は次の優先順位で情報源を選定する。

a) 本タイトルと同一の情報源(→ 2.2.1E
b) 資料自体の他の情報源
c) 資料外の情報源
 ただし、出版地、頒布地、製作地、制作地は、それぞれ出版者、頒布者、製作者、制作者と同一の情報源を第一の情報源として選定する。
 包括的記述を作成する複数巻単行資料については、開始及び(又は)終了の日付を、最初及び(又は)最後に刊行された巻号から選択する。
 著作権日付はどの情報源に基づいて記録してもよい。

2.2.3F 〔データ記入及び記入例〕

F1 (出版地、出版者等)

F1.1

 出版地、頒布地、製作地、制作地は、情報源に表示されている場所の名称(市町村名等)を、NCR2018#1.10~#1.10.11 別法に従って記録する。
 ただし、東京都特別区は、「東京」又はそれに相当する語のみ記録する。
 ただし、市名は、「市」又はそれに相当する語を記録しない。

 情報源に市町村名等とともに表示されている上位の地方自治体名等及び(又は)国名については、識別に必要なときに限り、それを付加する。

 ただし、「日本」という国名は、原則として記録しない。

 資料自体に表示がない場合に、識別又はアクセスに重要なときは、上位の地方自治体名等及び(又は)国名を角括弧([])でくるんで補記する。

美郷町 [秋田県]
美郷町 [島根県]
府中 [東京都]
府中 [広島県]

F1.2

 出版者・頒布者等は、それが関連する地名に続けて記録する。

F1.3

 出版者等を識別するのに必要でない組織階層は省略する。
 法人組織を示す語句は省略する。
 単に出版や発売を示すだけでない語句は情報源に表示されている通りに記録する。

F1.4

 出版地、出版者等が複数表示されている場合は、採用した情報源での表示順序、配置、デザイン等に基づいて判断した主なものを記録する。複数の出版者が存在して、それらが複数の出版地と結びついている場合は、それぞれの出版者と結びついた出版地を記録する。

 本システムにおいては、2番目以降の出版地、出版者等は、NOTEフィールドにではなくPUBフィールドに、記述文法に従って複数記録することができる。ただし、2番目以降の出版地、出版者等の入力レベルは「選択」である。

PUB:京都 ; 東京 : 三一書房 , 1949.5
 (同一出版者に出版地等が複数表示されている場合 )
PUB:名古屋 : 愛知県立大学 : 愛知県立女子短期大学 , 1990.2
 (同一出版地に出版者等が複数表示されている場合 )

F1.5

 出版地と出版者が組み合わせて複数表示されている場合や、出版地、出版者の他に頒布地、頒布者、製作地、製作者が表示されている場合において、2番目以降の出版地等と出版者等を記録するときはフィールドを繰り返して記録し、一つのPUBフィールドにまとめたかたちでの記録はしない。
 なお、2番目以降の出版地等、出版者等の入力レベルは「選択」である。

PUB:東京 : 東京朝日新聞社
PUB:大阪 : 大阪朝日新聞社 , 1931.1
PUB:Amsterdam : Elsevier
PUB:Tokyo : Kodansha , 1980
PUB:東京 : アジア図書館 , 1993.3 # 空値
PUB:東京 : アジアセンター21 # d
PUB:Copenhagen : Nordic Pharmacological Society , 1996 # 空値
PUB:Copenhagen : Munksgaard # d
(最初のPUBフィールドは出版表示、2番目のPUBフィールドは頒布表示)

F1.6

 出版地等、出版者等が複数の言語あるいは文字で表示されている場合の記録については、本タイトルと同じ言語又は文字で表示されているものを記録し、この規定が適用できない場合は、最初に表示されているものを記録する。

F1.7

 出版地等が所定の情報源上に表示されていない場合は、他の参考資料を基に調査、あるいは推定し、角括弧([ ])に入れて記録する。具体的な情報が記録できない場合は、「[出版地不明]」「[Place of publication not identified]」、「[出版者不明]」「[publisher not identified]」と記録する。

PUB:[出版地不明] : [出版者不明] , [1990年代]
PUB:[Place of publication not identified] : [publisher not identified] , [date of publication not identified]

F1.8

 資料自体に表示された地名、出版者の名称等が、架空であるか誤っていると判明している場合は、実際の地名、出版者の名称等を角括弧([ ])を使用して記録し、架空の地名又は誤った地名等は、必要があれば注記として記録する。

F1.9

 和古書等、複数の出版物理単位から成る資料で、途中の巻冊次から出版表示等に変更が見られる場合、PUBフィールドには、該当する目録対象資料の最も小さな番号が付された資料(又は入手可能なもののうち最も小さな番号が付された資料)の規定の情報源上にある出版地等及び出版者等を記録する。変更後の出版地等及び出版者等については、NOTEフィールドに記録する。

VOL:巻之1
VOL:巻之2
VOL:巻之3
VOL:巻之4
VOL:巻之5
PUB:東都 : 上総屋利兵衛 [ほか], 寛政10 [1798]
NOTE:巻之4以降の出版者: 山田屋長兵衛

F2 (出版日付等)

F2.1

 出版日付等は、原則として、情報源に表示されている日付の年を記録する。
 日付は、情報源に表示されている日付の暦が西暦の場合は、アラビア数字で記録する。
 情報源に表示されている日付の暦が西暦でない場合は、その日付を西暦に置き換える。
 漢数字、ローマ数字、語句で表記される数字等は、アラビア数字に置き換えて記録する。
 語句で表された暦は、アラビア数字に置き換える。

F2.2

 和古書等、複数の出版物理単位から成る資料の場合に、出版日付が2年以上にわたるときは、刊行開始年と刊行終了年をハイフン(-)で結んで記録する。刊行中のときは開始年を記録し、ハイフン(-)を続ける。出版日付が1年の中に収まる場合は、その年のみを記録する。

GMD:h SMD:b YEAR:1970 1986
PUB:東京 : 野村総合研究所 , 1970-1986
TR:NRIマイクロ有証||NRI マイクロ ユウショウ 
ED:[マイクロフィルム版]
PUB:東京 : 東京創元社 , 1990

F2.3

 単巻資料の出版日付・頒布日付等を特定できない場合は、推定の出版日付・頒布日付等を、NCR2018 #1.10.10.5 に従って記録する。
 著作権日付から出版日付を推定した場合は、著作権日付に対応する4桁の西暦年のみを角括弧([ ])に入れて記録する。著作権マークの「c」は記録しない。

[1975]
[1975?]
[1970頃]
[1970年代]
[2000から2009の間]
 出版日付を推定できない場合は、角括弧([ ])で、「[出版日付不明]」または「[date of publication not identified]」、「[頒布日付不明]」または「[date of distribution not identified]」と記録する。

F2.4

 資料自体に表示された日付が、架空であるか誤っていると判明している場合は、実際の日付を角括弧([ ])を使用して記録し、架空の日付又は誤った日付は、必要があれば注記として記録する。

PUB:London : Macmillan , [1967]
NOTE:Date of publication on title page: 1697

F2.5

 出版日付・頒布日付等と著作権日付が異なる場合は、フィールドを繰り返して著作権日付を記録することができる。
 著作権日付の記録に際しては、役割表示コード「c」を記入する。(→ 付録1.6 出版等に関するコード表

PUB:London : Penguin Books , 2018 # 空値
PUB:: , c2017 # c

PUB:London : Penguin Books , 2018 # 空値
PUB:, c2017 # c

(システムにより空値の区切り記号の表示が異なる場合がある)

F2.6

 複数のPUBフィールドが作成された場合、それぞれの出版表示・頒布表示等に対応した日付を、該当するPUBフィールドに記録する。役割が同一のPUBフィールドが複数ある場合は、その中の最後の出版者等に続けて記録する。

   PUB:東京 : 東京朝日新聞社
   PUB:大阪 : 大阪朝日新聞社 , 1931.1  
   PUB:Amsterdam : Elsevier
   PUB:Tokyo : Kodansha , 1980
   PUB:東京 : アジア図書館 , 1993.3 # 空値
   PUB:東京 : アジアセンター21  # d
   PUB:Copenhagen : Nordic Pharmacological Society , 1996 # 空値
   PUB:Copenhagen : Munksgaard  # d
(最初のPUBフィールドは出版表示、2番目のPUBフィールドは頒布表示)

F3 (役割表示コード)

F3.1

 記録に際し、それぞれのPUBフィールドの役割が出版以外のときは、役割表示コードを記入する。(→ 付録1.6 出版等に関するコード表

2.2.3G 〔フィールドの繰り返し〕

 出版地、頒布地、製作地、制作地と出版者、頒布者、製作者、制作者がそれぞれ対となっている場合は、それぞれの対ごとにPUBフィールドを作る。その組合せが複数ある場合は、PUBフィールドを繰り返す。
 記録に際し、役割が出版以外のときは、役割表示コードを記入する。(→ 付録1.6 出版等に関するコード表

2.2.3H (選択事項)

 出版日付、頒布日付等については、月まで記録することができる。この際、出版年、頒布年等の後にピリオドを付して記録する。出版日付が1年の中に収まる場合でも、月まで記録する場合には刊行開始年月と終了年月をハイフン(-)で結んで記録することができる。

PUB:東京 : 講談社 , 1990.1-1990.5

2.2.3I 《注意事項》

I1

 一つのPUBフィールドに、出版地、頒布地等と出版者、頒布者等の対を繰り返して記録してはならない。繰り返し記録すると、「出版者 ; 頒布地」の部分が一つの出版者とみなされて、2番目の出版地・頒布地に対する検索キーが正しく作成されない。

(誤)
PUB:東京 : 国立国会図書館 ; 東京 : 紀伊国屋書店(発売) , 1989
(正)
PUB:東京 : 国立国会図書館 , 1989 # 空値
PUB:東京 : 紀伊国屋書店 # d

I2

 同時に別の出版者から刊行された資料に表示されている出版に関する事項を記録してはならない。
 別書誌データを作成する。

I3

 例外として、マイクロ資料や西洋古典籍等、1書誌データに複数の出版物理単位を記述することが許容されている資料がある。(→ 2.0.3 出版物理単位
 このような資料において刊行時期に違いのある複数の情報源がある場合、データ要素の情報源は、該当する目録対象資料の最も小さな番号が付された資料(又は入手可能なもののうち最も小さな番号が付された資料)の規定の情報源による。なお、最も小さな番号が付された資料(又は入手可能なもののうち最も小さな番号が付された資料)以外に表示されている異なる出版に関する事項については、NOTEフィールドにそれを記録する。(→ 2.2.7 NOTE

 PUB:福岡 : 福岡国税局総務部調査統計課 , 1971.6-
  NOTE:昭和59年度以降の出版者: 福岡国税局総務部企画課

I4

 製作等に関する事項を記録する場合は、新たに一つのフィールドに記録する。その際、製作等に関する事項であることを明示するため、役割表示コード「m」を記入する。(→ 付録1.6 出版等に関するコード表

PUB:大阪 : 大阪市 , 1991.3 # 空値
PUB:[大阪] : 電通 # m
(電通が大阪市の依頼により製作した場合)

I5

 書写資料の場合は、PUBフィールドを1つだけ作り、制作に関する事項のみを記録する。その際、制作に関する事項であることを明示するため、役割表示コード「p」を記入する。(→ 付録1.6 出版等に関するコード表

PUB:京城 : 小倉進平 [写] , 1935.10 # p

〔関連項目〕


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