NACSIS-CAT全国雑誌所蔵データ更新作業マニュアル
[目次]
[前ページ] 2.5 巻次変更
[次ページ] 3.2 各項目の記入方法

3 書誌データ記入解説

以下では書誌データの記入方法について,「通則」「各項目の記入方法」「書誌修正の方法」についてそれぞれ説明します。
 このうち,「各項目の記入方法」は基本的にデータシートを用いる場合(WebUIP館,データシート館)を前提にしています。
 なお,オンライン館の場合は,コーディング・マニュアルを参考にしてください。

「通則」「書誌修正の方法」については全参加館に共通です。
 実際にデータの記入を行う前には必ず目を通すようにしてください。

3.1 通則

3.1.1 目録規則

3.1.2 書誌作成単位

以下のような場合には,それぞれ別個の書誌レコード(データシート)を作成することとします。

  1. 本タイトルが異なるもの(従属タイトル部が異なる場合も含む)
    (例1) 埼玉大学紀要. 人文科学編
    埼玉大学紀要. 社会科学編
    (例2) Science abstracts. Series A
    Science abstracts. Series B

  2. 本タイトルが総称的で,かつ責任表示が異なるもの
    (例1) 紀要 / 東北女子短期大学
    紀要 / 東北女子大学
    (例2) Bulletin / Bank of Norway
    Bulletin / Metropolitan Museum of Art

  3. 版表示が異なるもの
    (例1) Time. Pacific ed.
    Time. Asia ed.

  4. 資料種別が異なるもの
    (例1) 東洋音楽研究
    東洋音楽研究 [マイクロフィルム版]
    (例2) Marxist perspectives
    Marxist perspectives [Microform]

  5. 複製・原本代替資料とその原本
    (例1) 茸類の研究
    茸類の研究 [複製版]
    (例2) Financial statistics
    Financial statistics [Reprint ed.]

  6. 合冊誌・合刻複製版に収録されている各逐次刊行物
    (例1) 新興芸術 (その他のタイトル:日本モダニズムの興隆)
    新興芸術研究 (その他のタイトル:日本モダニズムの興隆)
    (「新興芸術」と「新興芸術研究」とは合冊されて刊行)
    (例2) Geological Survey of Alabama. Special report
    Country report / Geological Survey of Alabama
    (Country report は Special report と合冊されて刊行)

  7. 独自の巻号付けを持つ付録・補遺資料
    (例1) 国立民族学博物館報告 (1巻1号-)
    国立民族学博物館報告. 別冊 (No. 1-)
    (例2) Progress of theoretical physics (Vol.1, no.1-)
    Supplement of the progress of theoretical physics (No.1-)

  8. (同時期に)並行して異なる出版者から出版されたもの
    (例1) 統計情報インデクス / 総務庁統計局 [市販本版]
    統計情報インデクス / 総務庁統計局 [公文書版]
    (例2) General report on the family income and expenditure
    (Japan Statistical Association と Statistics Bureau,
    Management and Coordination Agency から並行して出版されている。
    それぞれに対応する書誌を作成する)

3.1.3 基準とする号

3.1.4 タイトル変遷の取り扱い

タイトル変遷(継続関係)

タイトル変遷(継続関係)が生じるごとに,新しい書誌レコード(データシート)を作成するとともに,変遷報告作業(→ p.105)を行います。
 以下の場合に,タイトル変遷(継続関係)が生じたと判定します。

  1. 本タイトルに変更があった場合 「1.5 本タイトルの変更の判定基準」p.30を参照してください。
    〈注1〉従属タイトル部の変更も含みます。
    (例1) 教育技術. 社会科研究
     ↓
    教育技術. 社会科指導
    (例2) Physical review. Ser.3, B. Solid state
     ↓
    Physical review. Ser.3, B. Condensed matter

    〈注2〉年代順のシリーズ表示等,当該雑誌全体の順序付けを示す表示の変更・追加が巻号表示変更にともなって生じた場合は巻次の変更扱いではなく,タイトル変遷とみなします。
    (第2次,2nd series,New Series 等)
    (例1) 辺境
     ↓
    辺境. 第2次
    (例2) New international clinics. New series 1
     ↓
    New international clinics. New series 2

  2. 本タイトルが総称的(→ p.46)で,その責任表示が変更した場合
    (例1) 研究報告 / 愛知県科学教育センター
     ↓
    研究報告 / 愛知県教育センター
    (例2) Annual report / Bureau of Mines
     ↓
    Annual report / Bureau of Mines and Geosciences

  3. 版表示が変更した場合
    (例1) Time. Pacific ed.
     ↓
    Time. Asia ed.


タイトル変遷 (派生関係)

ある雑誌(A)から別の雑誌(B)が分離,独立して創刊され,かつAのタイトル自体には変更がない場合にタイトル変遷(派生関係)が生じたと判定します。
 タイトル変遷(派生関係)が生じるごとに,新しい書誌レコード(データシート)を作成するとともに,変遷報告作業(→p.105)を行います。


タイトル変遷 (吸収関係)

ある雑誌(B)に別の雑誌(A)が合併され,廃刊を迎え,かつBのタイトル自体には変更がない場合にタイトル変遷(吸収関係)が生じたと判定します。
 タイトル変遷(吸収関係)が生じた場合は,吸収された雑誌に対する書誌に必要な書誌修正を行うとともに,変遷報告作業(→p.105)を行います。


3.1.5 本タイトルの変更の判定基準

タイトル変遷の基準

本タイトルの変化には,「重要な変化」と「軽微な変化」があり,軽微な変化に該当しない重要な変化の場合にタイトル変遷と判断します。
 判断に迷う場合は「軽微な変化」としますが,これは出版者によるタイトル変更の意思を示す証拠がない場合に限ります。


和雑誌のタイトル変遷の基準

和雑誌における「重要な変化」と「軽微な変化」の判断基準は,次のとおりです。

  1. 重要な変化
    原則として次の場合に本タイトルの変更があったと判断し,別書誌を作成します。

    1. 主要な語の変化
      主要な語を他の語に変えたり,追加又は削除した場合は,重要な変化とみなす。
      (例)相談学研究 → カウンセリング研究

    2. 語順の変化
      語順に変化が生じた場合は,重要な変化とみなす。

    3. イニシアルまたは頭字語の変化
      イニシアルまたは頭字語が変わった場合は,重要な変化とみなす。

    4. 言語の変化
      言語が変わった場合は,重要な変化とみなす。

    5. 主要な語の変化
      本タイトルに含まれる団体名が変わった場合は,重要な変化とみなす。
      (例)電気通信学会誌 → 電子情報通信学会誌

    6. 逐次刊行物全体の順序づけを表す表示の変化
      年代順のシリーズ表示等,逐次刊行物全体の順序づけを表わす表示の変化・追加が巻次変更に伴って生じた場合は,重要な変化とみなす。
      (例)西洋史研究 → 西洋史研究.新輯


  2. 軽微な変化
    以下の場合には,本タイトルの変更とはみなさず,従来の書誌に変化の記述を追加します。

    1. 助詞等の変化
      助詞,接続詞,接尾語が他の語に変化したり,追加または削除された場合は,軽微な変化とみなす。
      (例)中国土地改良 → 中国の土地改良
         原子力発電所より排出される温排水調査の結果について
             → 原子力発電所から排出される温排水調査の結果について

    2. 記号の変化
      重要な意味を持たない記号が変化したり,追加または削除された場合は,軽微な変化とみなす。
      (例)飛鳥藤原宮発掘調査出土木簡概報 → 飛鳥・藤原宮発掘調査出土木簡概報

    3. 逐次刊行物の種別を示す語の変化
      逐次刊行物の種別を示す語が類似の語に変化したり,追加または削除された場合は,軽微な変化とみなす。
      (例) いさはや市政概要 → いさはや市制概況
         日本近代文学館ニュース → 日本近代文学館

    4. 語順の変化
      語順の変化,語の追加または削除が主題の変化につながらない場合は,軽微な変化とみなす。ただし,語順の変化,語の追加又は削除は,名称が列記されている部分における変化の場合のみ軽微な変化とみなす。
      (例)鹿児島大学理学部紀要.数学・物理学・化学
         → 鹿児島大学理学部紀要.数学・科学・物理学

    5. イニシアルまたは頭字語と完全形の変化
      イニシアルまたは頭字語が完全形に変わったり,逆に完全形がイニシアルまたは頭字語に変わった場合は,軽微な変化とみなす。

    6. 顕著に表示されているタイトルの交替
      主情報源上のレイアウトの変更等に伴い,より顕著に表示されているタイトルが交替した場合,従来からの本タイトルが主情報源上に表示されているかぎり,軽微な変化とみなす。

    7. 文字種の変化
      言語は変化せずに,文字種の変化があった場合は,軽微な変化とみなす。
      (例)母のくに → ははのくに
         広報たちかわ → 広報Tachikawa
         NTTファシリティーズジャーナル → NTTファシリティーズjournal

    8. 本タイトルに含まれる団体名の表記の変化
      本タイトルに含まれる団体名の表記に微細な変化,追加または削除があったり,他の語との関連が変化した場合は,軽微な変化とみなす。ただし,微細な変化,追加または削除であっても,団体名称の変更に伴うものである場合は,軽微な変化とみなさない。
      (例)沖縄生物教育研究会誌 → 沖生教研会誌
         福井県立若狭歴史民族資料館紀要 → 紀要 / 福井県立若狭歴史民族資料館

    9. 主要でない語の変化
      その他,タイトルの意味内容や主題に変化を及ぼさない主要でない語が変化,追加または削除された場合は,軽微な変化とみなす。
      (例)県民所得推計結果報告書 → 県民所得推計報告書

    これらの軽微な変化となるものは,VTフィールド(その他のタイトル)にOHとして記録し,NOTEフィールドに巻次・年月次とともに記録してください。


洋雑誌のタイトル変遷の基準

洋雑誌における「重要な変化」と「軽微な変化」の判断基準は,次のとおりです。

  1. 重要な変化

    原則として次の場合に本タイトルの変更があったと判断し,別書誌を作成します。

    1. 冒頭の5語以内の変化
      本タイトルの冒頭の5語(冠詞で始まる本タイトルの場合は6語)に追加,削除,変化,または語順の変化がある場合は,重要な変化とみなす。
      (例)Journalism quarterly
         → Journalism & mass communication quarterly

    2. 冒頭の5語より後での意味・主題に関わる変化
      タイトルの意味を変える,もしくは異なる主題を示すような追加,削除,または変化が冒頭の5語より後(冠詞で始まる本タイトルの場合は6語より後)にある場合は,重要な変化とみなす。
      (例)Advance in enzymology and related subjects of biochemistry
        → Advances in enzymology and related areas of molecular biology

    3. 本タイトルに含まれる団体の変化
      本タイトル内に現れる団体名に変化があった場合で,この団体が異なる団体である場合は,重要な変化とみなす。
      (例)Journal of research of the National Bureau of Standards
         &rarr Journal of research of the National Institute of Standards and Technology

    4. 逐次刊行物全体の順序づけを表す表示の変化
      年代順のシリーズ表示等,逐次刊行物全体の順序づけを表わす表示の変化・追加が巻次変更に伴って生じた場合は,重要な変化とみなす。
      (例)Endeavour → Endeavour.New Series

  2. 軽微な変化

    以下の場合には,本タイトルの変更とはみなさず,従来の書誌に変化の記述を追加します。

    1. 語の表記の変化
      本タイトル内の1つもしくはそれ以上の語の表記が異なる場合は,軽微な変化とみなす。
      具体的には以下のような場合
      異なるつづりを使用    labour ⇔ labor
      省略形・記号・印と展開形・つづられた形  and ⇔ &
      アラビア数字とローマ数字 XX ⇔ 20
      数字・日付とつづられた形 20th ⇔ twentieth
      ハイフンの使用    year-book ⇔ yearbook
      複合語の表記     openhouse ⇔ open house
      頭字語・イニシアルと正式形 IC ⇔ integrated circuits
      文法的形式の変更(単数・複数等) study ⇔ studies

    2. 冠詞,前置詞,接続詞の追加,削除,変化
      本タイトル内における冠詞,前置詞,もしくは接続詞の追加,削除,または変化した場合は,軽微な変化とみなす。
      (例)Annual report of transport economy
         → Annual report on the transport economy

    3. 団体名の表記の変化
      本タイトル内における同一の団体名,その団体の上位/下位組織名,またはそれらの文法的なつながりが異なる場合は,軽微な変化とみなす。
      (例)同一の団体名の表記における追加,削除,または順序の転換,もしくは異形の使用)
      (例)Berichte der Gesellschaft fur Mathematik und Datenverarbeitung → GMD-Bericht

    4. 句読記号の追加,削除,変化
      本タイトル内における句読記号の追加,削除,または変化があった場合は,軽微な変化とみなす。イニシアルや文字列中における句読記号の使用/不使用をも含む。
      (例)GBB → G.B.B.

    5. 顕著に表示されているタイトルの交替
      主情報源上により顕著に表示されているタイトルの交替があった場合は,軽微な変化とみなす。この場合,従来からの本タイトルが引き続き主情報源に記載されている必要がある。

    6. タイトルと順序表示の結合の変化
      本タイトル内において,タイトルをその順序表示に結び付けている語の追加,削除,または変化があった場合は,軽微な変化とみなす。
      (例)Programme of work → Programme of work for ...

    7. 規則的なタイトルの変化
      ある一定のパターンに従った,逐次刊行物の異なる号における2つ以上の本タイトルの使用は,軽微な変化とみなす。

    8. 語のリストの中での追加,削除,順序の変化
      主題に重大な変化のないかぎりにおける,本タイトル内の語のリストの中での追加,削除,またはその順序の変化は,軽微な変化とみなす。
      (例)Japanese journal of applied physics. Pt. 1, Regular papers, short notes & review papers
         → Japanese journal of applied physics. Pt. 1, Regular papers, brief communications & review papers

    9. 逐次刊行物の種別を示す語の追加,削除
      本タイトル内において,「magazine」,「journal」,および「newsletter」などの資料の種別をさす語,もしくは他言語におけるこれらの相当語句の追加もしくは削除があった場合は,軽微な変化とみなす。
      (例)Minnesota history bulletin → Minnesota history

    これらの軽微な変化となるものは,VTフィールド(その他のタイトル)にOHとして記録し,NOTEフィールドに巻次・年月次とともに記録してください。


3.1.6 複製版の書誌データ記入

複製版の書誌データ記入に際して,各項目(フィールド)のデータを複製版,原本のいずれから採用するかは,以下の表を参照してください(○の方からデータを採ります)。

フィールド 原本 複製版 フィールド 原本 複製版
GMD
SMD *
× TR × 1)2)
ED × 3) ○ 2)
YEAR * ×
VLYR ○ 4) ×
CNTRY * ×
PUB × 5)
TTLL
TXTL
ORGL *
×
PHYS * ×
VT × 6)
REPRO * 「c」を記入
NOTE × 7)
PSTAT *
FREQ *
REGL *
TYPE *
記入しない
PRICE * ×
FID *
BHNT *
記入しない

ISSN
XISSN
LCCN *
CODEN
GPON *
×
PTBL * 記入しない
AL *
UT * 記入しない

* を付した項目はオンライン入力にのみ関わる項目で,書誌・所蔵データシートを使用する場合は関係ありません。

  1. 複製時に付与されたタイトルは,「その他のタイトル」(VT)に記入します。また,「一般注記」(NOTE)の項目にも記入してください。
  2. 複製版にのみ関わる責任表示は,「版に関する事項」(ED)に「版責任表示」として記入します。
  3. 原本にのみ関わる版表示関連事項は「一般注記」の項目に記入してください。
  4. 部分的な複製は,複製された範囲に対応する原本の巻次年月次を記入してください。
  5. 原本の出版事項は,「一般注記」の項目に記入してください。
  6. 合刻複製版の場合は共に合冊されている他の逐次刊行物のタイトル,原本の出版事項,原本の変遷関係等についても注記してください。
  7. 原本間に変遷関係があっても,複製版書誌レコード間の変遷注記用データシートは作成しません。原本間の変遷関係については注記してください。

以上の「一般注記」に関しては,「2.14 一般注記 7. 複製版についての注記」(→p.72)を参照してください。

注意事項


3.1.7 表記

  1. 表記の原則は,目録対象資料に表示されているままの転記です。
  2. 区切り記号法は原則としてISBD区切り記号法に従います。
  3. 欧文タイトルにおける大文字使用法や標準的な略語は各言語の慣習に従います(AACR2 付録A及びB参照)。
  4. 文字の使用方法



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