目録システムコーディングマニュアル(NCR2018対応版)


[目次]
[前ページ]付録1.3 言語コード表
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付録1.4 タイトルの種類コード表

〔タイトルの種類〕

 タイトルの種類は、大別して3種類に分けられる。

〔コード表〕

 以下では、それぞれの種別におけるコードのアルファベット順にタイトルの種類コードを示す。

コード タイトルの種類
AB 1) 略タイトル(abbreviated title)
KT キー・タイトル(key title)
AT 2) 副タイトル・ページ・タイトル (added title page title)
BC 裏表紙タイトル (back cover title)
CL 奥付タイトル (colophon title)
CP キャプション・タイトル (caption title)
CV 表紙タイトル (cover title)
DT 識別タイトル (distinctive title)
ET 先行タイトル (earlier title proper)
LT 後続タイトル (later title proper)
MT マストヘッド・タイトル (masthead title)
OH その他のタイトル (other title)
OR 原タイトル (original title)
PT 親書誌タイトル (parent title)
RT 欄外タイトル (running title)
ST 背表紙タイトル (spine title)
TT タイトル・ページ・タイトル (title page title)
RM 3) ローマ字翻字タイトル (romanized title)
TL 翻訳タイトル (translation of title by cataloging agency) 
UT 統一タイトル (uniform title)
VT 異なりアクセスタイトル (variant access title)

〔タイトルの種類の意味と使用法〕

 以下では、コードのアルファベット順に、それぞれのタイトルの種類の意味及び使用法を示す。

(1) AB(略タイトル)
 キー・タイトル(→(9)KT(キー・タイトル))を特定の省略法(ISO 4, Documentation - Rules for the Abbreviation of Title Words and Titles of Publications 及び List of Serial Title Word Abbreviations )に基づいて略記したタイトル。省略タイトルともいう。
 SIST-05(科学技術情報流通技術基準「雑誌名の略記」)に従って略記したタイトルを含む。
 ISSNネットワークに登録されている省略タイトル及び書誌票(bibliographical strip)に表示されている省略タイトルについては、コード「AB」を使用する。
(2) AT(副タイトル・ページ・タイトル)
 目録対象資料の副タイトル・ページに表示されているタイトルのうち、TRフィールド(又はPTBLフィールドの中位の書誌単位のタイトル)に記録されない形。
 副タイトル・ページ・タイトルについては、コード「AT」を使用する。
 逐次刊行物の場合は、初号あるいは所蔵最古号(識別の基盤とした号)に表示されている副タイトル・ページ・タイトルに限り、コード「AT」を使用する。それ以降の号に表示されている副タイトル・ページ・タイトルについてはコード「OH」扱いとする。
(3) BC(裏表紙タイトル)
 目録対象資料の裏表紙に表示されているタイトルのうち、TRフィールド(又はPTBLフィールドの中位の書誌単位のタイトル)に記録されない形。
 裏表紙タイトルについては、コード「BC」を使用する。
 逐次刊行物の場合は、初号あるいは所蔵最古号(識別の基盤とした号)に表示されている裏表紙タイトルに限り、コード「BC」を使用する。
(4) CL(奥付タイトル)
 目録対象資料の奥付に表示されているタイトルのうち、TRフィールド(又はPTBLフィールドの中位の書誌単位のタイトル)に記録されない形。
 奥付タイトルについては、コード「CL」を使用する。
 逐次刊行物の場合は、初号あるいは所蔵最古号(識別の基盤とした号)に表示されている奥付タイトルに限り、コード「CL」を使用する。
(5) CP(キャプション・タイトル)
 目録対象資料のテキストの最初の頁の冒頭(キャプション)に表示されているタイトルのうち、TRフィールド(又はPTBLフィールドの中位の書誌単位のタイトル)に記録されない形。
 キャプション・タイトルについては、コード「CP」を使用する。
 逐次刊行物の場合は、初号あるいは所蔵最古号(識別の基盤とした号)に表示されているキャプション・タイトルに限り、コード「CP」を使用する。
(6) CV(表紙タイトル)
 目録対象資料の本来の表紙に表示されているタイトルのうち、TRフィールド(又はPTBLフィールドの中位の書誌単位のタイトル)に記録されない形。
 表紙タイトルについては、コード「CV」を使用する。
 逐次刊行物の場合は、洋雑誌資料の、初号あるいは所蔵最古号(識別の基盤とした号)に表示されている表紙タイトルに限り、コード「CV」を使用する。
(7) DT(識別タイトル)
 目録対象資料が書誌データの作成単位とはならない場合の、当該資料中に表示され、かつ当該資料にのみ固有のタイトル。
 例えば、雑誌書誌データセットに登録される逐次刊行物の書誌データにおいては、個々の巻号に固有のタイトルは識別タイトルである。
 識別タイトルについては、コード「DT」を使用する。
 また、当該識別タイトルに対応する巻次年月次を、タイトルの直後にピリオド、スペースを区切り記号として記入する。
(8) ET(先行タイトル)
 目録対象資料が更新資料であり、刊行途中でその本タイトルに変化があった場合の、変化前のイテレーションにおける本タイトル。識別またはアクセスに重要な場合に記録する。
 記録にあたっては、変更の情報とともに、NOTEフィールドにも記録する。(→ 2.0.6 E1
(9) KT(キー・タイトル)
 ISSNネットワークにおいて、ISSNと一体となって登録されているタイトル。
 キー・タイトルについては、コード「KT」を使用する。
(10) LT(後続タイトル)
 目録対象資料が包括的記述を行う複数巻単行資料または逐次刊行物であり、刊行途中で複数巻単行資料の本タイトルが変化した場合、または逐次刊行物の本タイトルに軽微な変化があった場合の変化後の本タイトル。識別またはアクセスに重要な場合に記録する。
 記録にあたっては、変更の情報とともに、NOTEフィールドにも記録する。(→ 4.2.6 D2
(11) MT(マストヘッド・タイトル)
 目録対象資料のマストヘッドに表示されているタイトルのうち、TRフィールド(又はPTBLフィールドの中位の書誌単位のタイトル)に記録されない形。
 マストヘッド・タイトルについては、コード「MT」を使用する。
 逐次刊行物の場合は、初号あるいは所蔵最古号(識別の基盤とした号)に表示されているマストヘッド・タイトルに限り、コード「MT」を使用する。
(12) OH(その他のタイトル)
 目録対象資料中に表示され、かつTRフィールド(又はPTBLフィールドの中位の書誌単位のタイトル)に記録されないタイトル(〔コード表〕中の2)のグループ)のうち、他の14個のタイトルの種類(AT、BC、CL、CP、CV、DT、ET、LT、MT、OR、PT、RT、ST及びTT)のいずれにも該当しない形。例えば次のような形(目録対象資料中に表示されている場合)がこれに該当する。

○ 簡略タイトル(half title)、製本者タイトル(binder's title)、並列タイトル(parallel title)のうち、TRフィールド(又はPTBLフィールドの中位の書誌単位のタイトル)に記録されないタイトル
○ 逐次刊行物の場合、初号あるいは所蔵最古号(識別の基盤とした号)より後の巻号から表示されるタイトルや、複製時に新たに付与されたタイトル等

 コード「OH」の使用に際しては、そのタイトルの表示箇所をNOTEフィールドに記録する。
 逐次刊行物の場合、初号あるいは所蔵最古号(識別の基盤とした号)以降の号に表示されているタイトルについては、そのタイトルが表示されている、あるいは表示が開始された巻次・年月次についてもNOTEフィールドに記録する。
 その他のタイトルについては、コード「OH」を使用する。
(13) OR(原タイトル)
 目録対象資料が翻訳、複製、改訂等である場合の、当該資料中に表示されている原本のタイトル。
 翻訳、複製、改訂等が原本以外から行われている場合は、翻訳、複製、改訂等の直接の対象となったテキストのタイトルをも原タイトルとみなす。
 目録対象資料中に表示されている原タイトルについては、コード「OR」を使用する。
(14) PT(親書誌タイトル)
 逐次刊行物の書誌データにおける集合書誌単位のタイトルのうち、TRフィールドに記録されない形。
 親書誌タイトルについては、コード「PT」を使用する。
(15) RM(ローマ字翻字タイトル)
 目録担当者が作成する、次の種類のタイトル標目。  ローマ字翻字タイトルについては、コード「RM」を使用する。(→特殊文字・特殊言語資料に関する取扱い及び解説 6.翻字形の取扱い)
(16) RT(欄外タイトル)
 目録対象資料の各頁の欄外(最上段又は最下段)に反復して表示されているタイトルのうち、TRフィールド(又はPTBLフィールドの中位の書誌単位のタイトル)に記録されない形。
 欄外タイトルについては、コード「RT」を使用する。
 逐次刊行物の場合は、初号あるいは所蔵最古号(識別の基盤とした号)に表示されている欄外タイトルに限り、コード「RT」を使用する。
(17) ST(背表紙タイトル)
 目録対象資料の本来の背表紙に表示されているタイトルのうち、TRフィールド(又はPTBLフィールドの中位の書誌単位のタイトル)に記録されない形。
 背表紙タイトルについては、コード「ST」を使用する。
 逐次刊行物の場合は、初号あるいは所蔵最古号(識別の基盤とした号)に表示されている背表紙タイトルに限り、コード「ST」を使用する。
(18) TL(翻訳タイトル)
 目録担当者が作成する、次の種類のタイトル標目。
(19) TT(タイトル・ページ・タイトル)
 目録対象資料のタイトル・ページに表示されているタイトルのうち、TRフィールド(又はPTBLフィールドの中位の書誌単位のタイトル)に記録されない形。
 タイトル・ページ・タイトルについては、コード「TT」を使用する。
 逐次刊行物の場合は、和雑誌資料の、初号あるいは所蔵最古号(識別の基盤とした号)に表示されているタイトル・ページ・タイトルに限り、コード「TT」を使用する。
(20) UT(統一タイトル)
 目録担当者が作成する、次の種類のタイトル標目。  統一タイトルについては、コード「UT」を使用する。
(21) VT(異なりアクセスタイトル)
 目録担当者が作成する、次の種類のタイトル標目。  例えば次のような形(目録対象資料中に表示されていない場合)がこれに該当する。  異なりアクセスタイトルについては、コード「VT」を使用する。

《注意事項》

 タイトルの種類の意味及び使用法は、「 USMARC Format for Bibliographic Data 」の「20X-24X Title and Title -Related Fields」及び「740 Added Entry-Variant Title」を基に、国立情報学研究所が独自に定めたものである。

 以前のタイトルの種類コード表に掲載されていた次の6つのコードは、使用してはならない。

 簡略タイトル(half title)については、コード「AB」を選択してはならない。代わりに、コード「OH」を使用する。

 製本者タイトル(binder's title)については、コード「CV」や「ST」を選択してはならない。代わりに、コード「OH」を使用する。

 原則としてコード「CV」は和雑誌書誌データの記述に使用してはならない。同様に、コード「TT」は洋雑誌書誌データの記述に使用してはならない。
本来、和雑誌の場合の表紙タイトル、洋雑誌の場合のタイトル・ページ・タイトルは、これらのコードを付与してVTフィールドに記入するのではなく、TRフィールドに記入すべきものである。

 逐次刊行物の初号あるいは所蔵最古号(識別の基盤とした号)よりも後の巻次・年月次において表示されているタイトルのうち、TRフィールドに記録されない形については、その表示箇所のいかんを問わず、コード「OH」を使用する。

 コード「OH」の使用に際しては、そのタイトルの表示箇所をNOTEフィールドに記録する。
 逐次刊行物の場合、初号あるいは所蔵最古号(識別の基盤とした号)以降の号に表示されているタイトルについては、そのタイトルが表示されている、あるいは表示が開始された巻次・年月次についてもNOTEフィールドに記録する。

 目録対象資料の原タイトルを当該資料以外の情報源から得た場合は、コード「OR」を選択してはならない。代わりに、コード「VT」を使用する。
逐次刊行物の場合、複製資料の原本のタイトルにコード「OR」を付与してVTフィールドに記入してはならない。
 逐次刊行物の場合、複製資料は原本の単位で書誌データを作成し、原本のタイトルをTRフィールドに記入するため、原本のタイトルをVTフィールドに記入することはありえない。複製時に付与されたタイトルをコード「OH」を付与してVTフィールドに記入する。

 図書書誌データにおいては、コード「PT」を使用してはならない。
 図書書誌データにおいての親書誌タイトルは、PTBLフィールドに記入しなければならない。

 ローマ字翻字タイトルについては、コード「TL」を選択してはならない。代わりに、コード「RM」を使用する。

 また、目録対象資料に表示されている、タイトルのローマ字翻字形は、その表示箇所に対応するコードを付与してVTフィールドに記録するか、並列タイトルに該当するならTRフィールドあるいはPTBLフィールドの中位の書誌の記述部分に並列タイトルとして記録する。

 コード「TL」及び「UT」の使用法については、別途検討を行う。


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