目録システムコーディングマニュアル(CAT2020対応版)


[目次]
[前ページ] 6.0 通則
[次ページ] 6.0.2 複製資料

6.0.1 タイトル変遷

 逐次刊行物については,継続的に刊行される一連の刊行物全体を「逐次刊行物書誌単位」として,一つの書誌的記録(書誌データ)を作成する。この書誌的記録は,刊行途中の本タイトルの変更等により,新たな書誌的記録を発生する場合がある。これを「タイトル変遷」という。

6.0.1A 〔タイトル変遷の判断基準〕

 以下の指針に従って,タイトル変遷かどうかを判断する。タイトル変遷と判断できる場合は,新規書誌データを作成する。この方式を「個別タイトル記入方式」という。

A1 (本タイトルの変化)

 本タイトルの変化に関しては,NCR87R3 第13章継続資料に準拠する。本タイトルの変化には重要な変化と軽微な変化があり,軽微な変化に該当しない重要な変化の場合にタイトル変遷と判断する。
判断に迷う場合は,軽微な変化とする。ただし,出版者によるタイトルの変更の意思を示す証拠がない場合に限る。各条項番号およびその採否については,以下のとおり。

A1.1 重要な変化

A1.2 軽微な変化

 上記,重要な変化としないものおよび軽微な変化となるものは,VTフィールドにOHとして記録し,NOTEフィールドに巻次・年月次とともに記録する。アクセス上必要がないものはNOTEフィールドのみに記録してもよい。 (→ 6.2.6 F7.16.2.7 F3.6
 ただし,上記A1.2の軽微な変化の規定に関して,書誌の同定・運用上特に必要と認められる場合には,タイトル変遷とみなすこととする(NACSIS独自規定)。

A2 (責任表示の変化)

 刊行途中に責任表示に変化・追加・削除があった場合は,タイトル変遷とみなさず,新規書誌データは作成しない。
それらはNOTEフィールドに記録し,ALフィールドまたは該当著者名典拠データのSAFフィールドに記録する。(→ 6.2.1 F5.36.2.7 F3.11
ただし,NCR87R3の13.1.5.3に従い,本タイトルが総称的で,その責任表示の表記に微細な変化,追加または削除以外の変化があった場合は,タイトル変遷とみなす。(→ 6.2.1 F5.56.0.3

A3 (並列タイトルの変化)

 NCR87R3の13.1.3.3に従い,刊行途中に並列タイトルに変化・追加・削除があった場合は,タイトル変遷とみなさず,別書誌データは作成しない。それら並列タイトルは,NOTEフィールド(必要があればVTフィールド)に記録する。(→ 6.2.1 F3.36.2.7 F3.7

A4 (タイトル関連情報の変化)

 NCR87R3の13.1.4.3に従い,刊行途中にタイトル関連情報に変化・追加・削除があった場合は,タイトル変遷とみなさず,別書誌データは作成しない。それらタイトル関連情報は,NOTEフィールド(必要があればVTフィールド)に記録する。(→ 6.2.1 F4.46.2.7 F3.8
ただし,本タイトルが簡略形で,タイトル関連情報がその展開形である場合は,タイトル関連情報の変更・追加はタイトル変遷とみなして,別書誌データを作成する。(NACSIS独自規定)

A5 (版表示の変化)

 NCR87R3の13.0.2.1Bア)および13.2.1.3に従い,刊行途中に版表示に対象範囲や主題が変わったことを示す変化がある場合は,タイトル変遷とみなし新規データを作成する。版表示の表現上の変化の場合,タイトル変遷とみなさず,変化後の版表示を注記する。(→ 6.2.2 H1, 6.2.7 F3.20

A6 (巻次・年月次の変化)

 NCR87R3の13.3.1.3に従い,刊行途中に巻次・年月次に変化・追加があった場合は,タイトル変遷とはみなさず,別書誌データは作成しない。巻次変更として,VLYRフィールドに記録する。(→ 6.2.3 F4

A7 (出版事項の変化)

 NCR87R3の13.4.1.3および13.4.2.3に従い,刊行途中での出版地,出版者の変化・追加など,出版事項だけに相違が発生しても,別書誌データは作成しない。変化後の出版事項は,NOTEフィールドに記録する。(→ 6.2.4 F2.3F3.26.2.7 F3.13

A8 (一時的な変化)

 タイトル変遷とみなすデータの変化が一時的で,すぐに元のタイトルに戻ったとしても,変化があった都度に各々別書誌データを作成する。

6.0.1B 〔タイトル変遷の種類〕

 タイトル変遷には,次のような種類がある。

B1 (継続)

 ある雑誌(A)のタイトルが変更し別のタイトルの雑誌(B)となった場合,継続関係のタイトル変遷が発生したとする。

 なお,A誌とB誌が合併してC誌になる場合,あるいは,A誌が分離してB誌とC誌になる場合もこの継続関係になる。

B2 (派生)

 ある雑誌(A)から別の雑誌(B)が分離,独立して創刊され,かつAのタイトル自体には変更がない場合に,派生関係のタイトル変遷が発生したとする。

B3 (吸収)

 ある雑誌(B)に別の雑誌(A)が吸収され,廃刊を迎え,かつBのタイトル自体には変更がない場合に,吸収関係のタイトル変遷が発生したとする。

6.0.1C 〔タイトル変遷の表現〕

 タイトル変遷に関する情報は,次に示す変遷ブロックの各フィールドに記録する。

6.0.1D 〔変遷ブロックの記録方法〕

 変遷ブロックのFIDフィールド,BHNTフィールドへの記録は,参加館からの報告に基づいて国立情報学研究所が行う。変遷関係が生じた場合は,速やかに「変遷注記用データシート」を作成し,情報源のコピーとともに国立情報学研究所宛てに送付するものとする。(→ 6.0 F
 なお情報源は,和雑誌の場合,変遷前誌の終号,変遷後誌の初号の表紙が規定のものであるが,標題紙,背,奥付等と表記が異なる場合は,それらも送付する。


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