写真複製、電子的複写などの方法で原本を忠実に再現させた複製資料(マイクロ資料、録音資料、コンピュータファイル等、キャリアは問わない)に適用する。
図書館等が資料の欠損部分を補うため、一部分のみを複製したものには適用しない。
以下これを便宜的に次のように区分する。
複製資料は、原本とは別の書誌データを作成する。(→「目録情報の基準 第6版」4.2.2)
同一資料から、同一の方法で作成された複製資料同士については、次のような扱いにする。
NCR2018に指示された情報源に従う。すなわち、複製資料自体に所定の情報源があれば、原則として、これによる。
ただし、特に複製資料自体の情報源がなければ、原本の所定の情報源による。
原本の所定の情報源による。
ただし、一般資料種別(GMD)、特定資料種別(SMD)、複製コード(REPRO) については、複製資料自体によって記録する。(→ 2.0.4D1, D7)
出版を目的とした複製資料と同様に扱う。
ただし、出版日付については著作権日付等を記録し、それぞれの製作日付(複製の日付)を出版日付とはしない。(→ 2.0.4D12)
複製資料自体によって記録する。
GMD:h (マイクロ形態を示すコード「h」を記録)
出版を目的とした複製資料については、PUBフィールドに記録した複製資料自体の出版日付に対応する 4桁の西暦年を記録する。
原本代替資料については、NOTEに記録した原本の出版日付に対応する4桁の西暦年を記録する。
注文生産による複製資料については、PUBフィールドに記録した著作権日付等に対応する4桁の西暦年を記録する。
複製資料の出版地のコードを記録する。
ただし、原本代替資料については、原本の出版地のコードを記録する。
複製資料の本タイトルの言語コードを記録するが、複製資料自体の情報源がない場合は、原本に該当する情報源により記録を行う。
ただし、原本代替資料については、原本の本タイトルの言語コードを記録する。
原本の本文の言語コードを記録する。
複製の対象となった原本そのものの言語ではなく、その原本が翻訳である場合に、直接の翻訳対象となった底本の言語のコードを記録する。
複製を示すコード「c」を記録する。
REPRO:c
原則的に、複製資料自体の情報源に表示された巻冊次等を記録するが、巻冊次については、複製資料自体の情報源がない場合、原本に該当する情報源により記録を行うことができる。
原本のISBNについては、必要に応じて、XISBNフィールドおよびNOTEフィールドに記録することができる。
ただし、原本代替資料については、原本の巻冊次等を記録する。
複製資料自体の識別子を記録する。
ただし、原本代替資料については、原本の識別子を記録する。
複製資料自体の情報源に表示されたタイトル及び責任表示を記録するが、複製資料自体の情報源がない場合は、原本に該当する情報源により記録を行う。
ただし、原本代替資料については、原本の情報源に表示されたタイトル及び責任表示を記録する。
複製資料自体の版次を記録する。版次がない場合、識別またはアクセスに重要な場合は、補記することができる。
原本にのみ関わる版表示及び関連事項は、関連する表現形を識別できる情報として、NOTEフィールドに記録することができる。
ただし、原本代替資料については、原本の版表示を記録する。
原本代替資料であることを示す表示はEDフィールドには記録しない。
(誤) ED:[私家複製版] (誤) ED:[Private reproduction]
出版を目的とした複製資料については、複製資料自体の出版・頒布などに関する事項を記録する。原本の出版表示は、関連する体現形の出版表示として、NOTEフィールドに記録する。
原本代替資料については、出版者等に和資料は「私製」、洋資料は「In-house reproduction」と記録し、製作等に対する役割表示コード「m」を記録する。出版地等および出版日付等のデータの記録は行わない。
原本の出版・頒布等に関する事項は、関連する体現形の出版表示として、NOTEフィールドに記録する。
注文生産による複製資料については、原則として、複製資料自体の出版・頒布などに関する事項を記録する。
出版日付、製作日付、著作権日付は、最初に書誌データを登録する際の目録対象資料に表示されているものを記録する。それぞれの製作日付 (複製の日付) は、必要に応じて、所蔵データのCPYRフィールドに記録する。
複製資料の形態に関する事項を記録する。
ただし、原本代替資料については、原則的に、原本の形態に関する事項を記録する。
原本及び複製版の情報源どこからでも採用できる。
出版を目的とした複製資料および注文生産による複製資料について、複製時のタイトルが原本のものと異なる場合は、必要に応じて、原本のタイトルをVTフィールドに記録することができる。
TR:田山花袋の日本一周 / 田山花袋著||タヤマ カタイ ノ ニホン イッシュウ ED:復刻版 VT:OR:日本一周||ニッポン イッシュウ
TR:Indo-European and the Indo-Europeans / Thomas V. Gamkrelidze, Vjaceslav V. Ivanov ED:Reprint [edition] VT:OR:Indo-European and the Indo-Europeans : a reconstruction and historical analysis of a proto-language and a proto-culture
原本及び複製版の情報源のどこからでも採用できる。
ただし、表現種別・機器種別・キャリア種別に関する注記は、キャリア種別・機器種別については複製資料自体に、表現種別については原本によって記録する。
複数の注記を記録する場合は、2.2.7F1.2(注記の順序)に従う。
出版を目的とした複製資料及び注文生産による複製資料の原本の情報は、原則として、NOTEフィールドに、関連する体現形を識別できる情報として、構造記述または非構造記述により記録する。
NOTE:複製の対象 (体現形): 南部朝鮮の方言 / 小倉進平著. -- 京城 : 朝鮮史學会, 1924.3 NOTE:Reproduction of (manifestation): Mandalay and other cities of the past in Burma / by V.C. Scott O'Connor. -- London : Hutchinson, 1907
NOTE:埼玉県秩父繊維工業試験場 昭和35年5月刊の復刻 NOTE:Reprint. Originally published: New York : Viking Press, 1948
原本代替資料の場合、原本の出版・頒布等に関する事項をNOTEフィールドに記録する。