目録情報の基準 第6版


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0.2.6 書誌階層構造

NCR2018 #0.5.6 書誌階層構造

 体現形の構造を固有のタイトルを有する複数のレベルから成る書誌階層構造ととらえ、記述対象を任意の書誌レベルから選択できることとする。特に、形態的に独立した資料だけでなく、その構成部分も記述対象とできるよう規定した。一方で、記述対象として選択することが望ましい基礎書誌レベルについても規定している。書誌階層構造は、FRBRで規定する体現形における関連の一種(全体と部分)に相当する。一つの書誌レベルの記述において、上位書誌レベルの情報は属性の記録および関連の記録として規定し、下位書誌レベルの情報は専ら関連の記録として規定する。
(参照: #1.5.1 を見よ。) (出典:同書 p28)

#1.5 書誌階層構造と記述のタイプ

#1.5.1 書誌階層構造

 体現形は、シリーズとその中の各巻、逐次刊行物とその中の各記事のように、それぞれが固有のタイトルを有する複数のレベルとして、階層的にとらえることができる。これを書誌階層構造という。
 書誌レベルは、書誌階層構造における上下の位置づけを示す。記述対象として選択することが望ましい書誌レベルを、基礎書誌レベルという。その上下の書誌レベルを、それぞれ上位書誌レベル、下位書誌レベルと定める。
 データ作成者は、任意の一つの書誌レベルを選択し、体現形の記述(包括的記述または分析的記述)を作成する。
(参照: #1.5.2.1、#1.5.2.2 を見よ。)
 複数の書誌レベルを選択し、それらの記述を組み合わせた階層的記述を作成することもできる。
(参照: #1.5.2.3 を見よ。)
 一つの書誌レベルの記述において、上位書誌レベルの情報は、属性の記録(シリーズ表示)、および(または)関連の記録(体現形間の上位・下位の関連)として記録することができる。
 下位書誌レベルの情報は、専ら関連の記録(体現形間の上位・下位の関連)として記録することができる。異なる書誌レベルにそれぞれ対応した複数の記述を作成し、関連の記録によって相互に結びつけることもできる。
(参照: #43.3 を見よ。)

 基礎書誌レベルについては、刊行方式に応じて、次のとおりに設定する。
a) 単巻資料
それ自体を基礎書誌レベルとする。
b) 複数巻単行資料
全体を構成する各部分が固有のタイトルを有する場合は、そのタイトルを有する部分(1巻、複数巻)を基礎書誌レベルとする。各部分が固有のタイトルを有しない場合は、全体を基礎書誌レベルとする。
c) 逐次刊行物
その全体を基礎書誌レベルとする。ただし、それぞれ独立した順序表示をもつ部編等に分かれている場合は、部編等を基礎書誌レベルとする。
d) 更新資料
その全体を基礎書誌レベルとする。
なお、固有のタイトルを有しない物理的(または論理的)な単位に記述対象を分割して扱う場合は、その単位を物理レベルとよぶ。物理レベルで記述を作成してもよい。

(出典:同書 p45-46)

 書誌階層構造については、NCR2018の#0.5.6の参照先である#1.5.1の説明が詳しいため、 #1.5.1も引用した。
 NACSIS-CATでは、近い用語として、「物理レベル」にはNACSIS-CATの図書書誌の「出版物理単位」が、「基礎書誌レベル」には NACSIS-CATの図書書誌の「単行書誌単位」、雑誌書誌の「逐次刊行物書誌単位」が、「基礎書誌レベル」の「上位書誌レベル」にはNACSIS- CATの図書書誌の「集合書誌単位」が、それぞれ存在する。
 NACSIS-CATの図書書誌は、単行書誌単位を記述対象とするが、データの作成単位は、出版物理単位とする。
 書誌階層構造については本基準4.3、書誌単位については本基準4.2を参照すること。


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