目録システムコーディングマニュアル(NCR2018対応版)


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2.2.4 PHYS

2.2.4A 〔形式〕

PHYS 入力レベル 属性 フィールド長 繰り返し数
(Group Field)
形態に関する事項
必須2       1
   数量 (必須2) (可変長) (254バイト)
その他の形態的細目 (選択) (可変長) (254バイト)
大きさ (必須2) (可変長) (254バイト)
付属資料 (選択) (可変長) (254バイト)

2.2.4B 〔記述文法〕

 記述文法については、「付録6.1 図書書誌データの記述文法」を参照のこと。

2.2.4C 〔区切り記号〕

ア)その他の形態的細目の前に、スペース、コロン、スペース (△ : △) を置く。
イ)大きさの前に、スペース、セミコロン、スペース (△ ; △) を置く。
ウ)付属資料の前に、スペース、プラス、スペース (△ + △) を置く。
エ)付属資料の形態的細目を記録する場合は、スペース、丸括弧 (△( ))で括る。

2.2.4D 〔フィールド内容とデータ要素〕

 PHYSフィールドには、目録対象資料の数量(ページ数、図版数等)、その他の形態的細目(挿図、肖像、地図等)、大きさ、及び付属資料等の情報をデータ要素として記録する。

2.2.4E 〔データ要素の情報源〕

 PHYSフィールドのデータ要素の情報源は、当該資料全体とする。

2.2.4F 〔データ記入及び記入例〕

F1(データ記入の原則)

 PHYSフィールドのデータ要素は、キャリア種別により形態的表示を選択する。各項目で特に規定されていない事項については、目録規則の規定に従ってデータ記入を行う。

F2 (数量)

F2.1

 冊子1冊の資料は、キャリアの種類を示す用語及び冊数は記録せず、表示されたページ付の最終数に、「p」、「丁」、「枚」、「欄」の語を付加して記録する。目録用言語として英語を用いる場合は「pages」、「leaves」、「columns」の語を用いる。
 語句を用いたページ付、あるいはアラビア数字以外の数字を用いたページ付けの場合は、アラビア数字に置き換えて記録する。ただし、ローマ数字は、表示されている通りに記録する。

238p
30 pages(「thirty pages」とはしない。) 
105p(「一〇五p」とはしない。)
xcvii pages

 数字ではなく文字等を用いたページ付の場合は、先頭と最終の文字等を記録する。

A-Z pages 

F2.2

 ページ付のない資料は、次のいずれかの方法で記録する。

ア)全体のページ数等を数え、そのページ数等の後に「ページ付なし」等を丸括弧に入れて付加する。目録用言語として英語を用いる場合は、「unnumbered」の語を用いる。ページ数等を数える場合、広告など内容にかかわらないものは含めない。
94p (ページ付なし) 
94 unnumbered pages
イ)ページ数等の概数を記録する。
約300p
approximately 300 pages
ウ)「1冊」と記録し、「ページ付なし」等を丸括弧に入れて付加する。目録用言語として英語を用いる場合は、「1 volume (unpaged)」と記録する。
1冊 (ページ付なし)
1冊 (丁付なし)
1 volume (unpaged)

F2.3

 ページ付が複数に分かれた資料は、ページ付ごとにコンマ(,)で区切って記録する。ページ付のない部分が含まれている場合に、その部分が重要であるとき、又は注記で言及されているページ付が含まれているときは、ページ数等を数え「ページ付なし」「unnumbered」等を丸がっこ(())に入れて付加する。

22, 457, 64p
xvii, 530 pages
30p, 120枚
18(ページ付なし), 220, 25p

F2.4

 冊子の最終部分が欠落していて、全体のページ数等が確認できない場合は、確認できるページ付の最終数を記録し、「欠落あり」または「incomplete」を丸がっこに入れて付加する。

254p (欠落あり)
254 pages (incomplete)

 冊子の最初と最後のページ付が部分的に欠落していると思われる場合に、全体のページ数等が確認できないときは、その最初と最後のページ付をハイフン(-)で結んで記録し、その旨を注記として記録する。

p9-160
leaves 81-149

F2.5

 全体が一連のページ付となっているセットの1冊や抜刷などのように、包括的な一連のページ付の途中から始まっているページ付は、その最初と最後のページ付をハイフン(-)で結んで記録する。

p362-734
pages 362-734
 全体の一部が記述対象である場合に、その部分自体のページ付と全体のページ付の双方があるときは、部分のページ付を記録する。必要に応じて、全体のページ付を注記として記録する。

F2.6

 ページ付のある図版は、本文のページ付に続けて「図版」または「plates」の語を用いて、F2.1 に従って、その最終ページ数等を記録する。

246p, 図版 32p
xiv, 145p, 図版 10 枚, 図版xiiip
 数字ではなく文字等を用いたページ付の場合は、「図版」の語を用いて先頭と最終の文字等を記録する。
 語を用いたページ付の場合は、「図版」又は「plates」の語を用いて、F2.1に従って記録する。

 ページ付のない図版が資料の大部分を占める場合、注記で言及されている図版にページ付がない場合、又は識別又は選択に重要な場合は、「図版」の語を用いて、図版のページ数等を記録し、「ページ付なし」等を丸括弧に入れて付加する。目録用言語として英語を用いる場合は、「unnumbered」及び「plates」の語を用いる。

10p (ページ付なし), 図版 16p (ページ付なし) 
xvi, 249p, 図版12枚(ページ付なし)
10 unnumbered pages, 16 unnumbered pages of plates 
xvi, 249 pages, 12 unnumbered leaves of plates
 正確な数が容易に判明しない場合は、概数を記録する。

F2.7

 紙葉が折り込まれている場合は、「折り込み」を丸括弧に入れて付加する。目録用言語として英語を用いる場合は、「folded」の語を用いる。

96枚 (折り込み)
150p, 図版30枚 (一部折り込み) 
96 folded leaves
150 pages, 30 leaves of plates (some folded)

F2.8

 シート又はカードから成る資料は、キャリアの種類を示す用語とともに枚数を記録する。目録用言語として英語を用いる場合は、「1 sheet」、「sheets」、「1 card」または「cards」の語を用いる。

シート1枚
シート5 枚
カード10枚
 折りたたんだ状態でページ順に読むことが想定されている1枚のシート(例えば、折本)は、枚数を記録し、「折りたたみ」または「folded」を丸括弧に入れて付加する。ただし、この種の資料は、冊子として扱うことがある。
シート1枚 (折りたたみ)
シート1枚 (折りたたみ 8p)

F3 (その他の形態的細目)

F3.1

 その他の形態的細目には、必要に応じて、図や色彩についての情報をデータ要素として記録することができる。
 マイクロ形態の極性等、NCR2018 #5.15 図、#5.17 色彩以外のエレメントについては、その他の形態的細目への記録は行わない。必要に応じて、NOTEフィールドに記録を行うことができる。

(極性がある場合の記録例)
 NOTE:Polarity: positive

F3.2

 図は、包括的な用語「挿図」又は「illustration」を記録するか、その代わりに、又はこれに付加して、NCR2018 表 5.15.0.2 の用語を用いて図の種類を記録する。目録用言語として英語を用いる場合は、必要に応じて複数形を用いる。

挿図, 肖像, 地図
illustrations, facsimiles, map

F3.3

 識別又は選択に重要な場合は、NCR2018 #5.17.0.3 の用語を用いて、色彩に関する詳細を記録することができる。

肖像 (一部カラー), 地図 (グレー・スケール) 
illustrations (some color)

F4 (大きさ)

F4.1

 大きさには、キャリア又は容器の外側の寸法を、別途指示のない限り、センチメートルの単位で小数点以下の端数を切り上げて記録する。キャリアを計測する箇所は、キャリア種別ごとに定めた NCR2018 #2.18.0.2.1A~#2.18.0.2.1O に従う。

F4.2

 冊子は、外形の高さを記録する。外形の高さが10cm未満のものは、センチメートルの単位で小数点以下1桁まで端数を切り上げて記録する。縦長本、横長本、枡型本は、縦、横の長さを「×」で結んで記録する。

22 cm 
8.7cm 
21×9cm
15 × 25 cm
15×15cm
 テキスト・ブロック(冊子の表紙・背などの外装を除いた本体部分)の大きさと製本状態の大きさに無視できない違いがある場合に、識別又は選択に重要なときは、テキスト・ブロックの大きさを記録し、製本状態の大きさを丸括弧に入れて付加する。目録用言語として英語を用いる場合は、「in」の語に続けて製本状態の大きさを付加する。
20cm (製本 25cm)
20 cm in binding 25 cm
 テキスト・ブロックの大きさが異なるものを合冊している場合は、製本状態の大きさのみを記録する。識別又は選択に重要な場合は、テキスト・ブロックの大きさについて注記として記録する。

F4.3

 シートは、本体の縦、横の長さを「×」で結んで記録する。

20 × 25 cm
 畳ものは広げた形の縦、横の長さを「×」で結んで記録し、折りたたんだときの外形の縦、横の長さを付加する。
48×30cm (折りたたみ 24×15cm) 
48 × 30 cm folded to 24 × 15 cm
 折りたたんだ状態でページ順に読むことが想定されている1枚のシート(例えば、折本)は、縦の長さを記録する。ただし、この種の資料は、冊子として扱うことがある。

F4.4

 多巻物で例外的にVOLグループの繰り返しの記述を行う資料で、図書の高さが異なっている場合の記録については、最も小さいものと最も大きいものの大きさを、ハイフン(-)で結んで記録する。

F5 (付属資料)

 ある資料と同時に刊行され、同時に使用するようになっている付属的な資料について記録する。(→ 2.0.5 付属資料)

PHYS:104p ; 21cm + コンピュータ・ディスク5枚 
PHYS:482 pages : illustrations ; 24 cm + 5 slides
 付属資料はNOTEフィールドに記録することもできる。
NOTE:1 computer disk in pocket (3.5 inch)

〔関連項目〕


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