目録システムコーディングマニュアル(CAT2020対応版)


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[前ページ] 7.0 通則
[次ページ] 7.0.2 複製資料

7.0.1 タイトル変遷

 逐次刊行物については,継続的に刊行される一連の刊行物全体を「逐次刊行物書誌単位」として,一つの書誌的記録(書誌データ)を作成する。この書誌的記録は,刊行途中の本タイトルの変更等により,新たな書誌的記録を発生する場合がある。これを「タイトル変遷」という。

7.0.1A 〔タイトル変遷の判断基準〕

 以下の指針に従って,タイトル変遷かどうかを判断する。タイトル変遷と判断できる場合は,新規書誌データを作成する。この方式を「個別タイトル記入方式」という。

A1 (本タイトルの変化)

 本タイトルの変更に関しては,AACR2R2002 21.2A1の条項に準拠する。タイトルの変化には重要な変化と軽微な変化があり,軽微な変化に該当しない重要な変化の場合にタイトル変遷と判断する。
 判断に迷う場合は,軽微な変化とする。ただし,出版者によるタイトルの変更の意思を示す証拠がない場合に限る。各条項番号およびその採否については,以下のとおり。

A1.1 重要な変化

 AACR2R2002 21.2A1に従い,以下の場合を重要な変化とみなす。

A1.2 軽微な変化

 AACR2R2002 21.2A2 a〜iに従い,以下の場合を軽微な変化とみなす。

 上記,重要な変化としないものおよび軽微な変化となるものは,VTフィールドにOHとして記録し,NOTEフィールドに巻次・年月次とともに記録する。アクセス上必要がないものはNOTEフィールドのみに記録してもよい。 (→ 7.2.6 F77.2.7 F3.6

 ただし,上記A1.2の軽微な変化の規定に関して,書誌の同定・運用上特に必要と認められる場合には,タイトル変遷とみなすこととする。(NACSIS独自規定)

A2 (責任表示の変化)

 刊行途中に責任表示に変化・追加・削除があった場合は,タイトル変遷とみなさず,新規書誌データは作成しない。
 それらはNOTEフィールドに記録し,ALフィールドまたは該当著者名典拠データのSFフィールドに記録する。(→ 7.2.1 F5.37.2.7 F3.11
 ただし,本タイトルが総称的で,その責任表示が変更した場合は,タイトル変遷とみなす。(NACSIS独自規定)(→ 7.2.1 F5.57.0.3

A3 (並列タイトルの変化)

 刊行途中に並列タイトルに変化・追加・削除があった場合は,タイトル変遷とみなさず,別書誌データは作成しない。それら並列タイトルは,NOTEフィールド(必要があればVTフィールド)に記録する。(→ 7.2.1 F3.57.2.7 F3.8

A4 (タイトル関連情報の変化)

 刊行途中にタイトル関連情報に変化・追加・削除があった場合は,タイトル変遷とみなさず,別書誌データは作成しない。それらタイトル関連情報は,NOTEフィールド(必要があればVTフィールド)に記録する。(→ 7.2.1 F4.67.2.7 F3.6

A5 (版表示の変化)

 刊行途中に版表示に対象範囲や主題が変わったことを示す変化がある場合は,タイトル変遷とみなし新規データを作成する。版表示の表現上の変化の場合,タイトル変遷とみなさず,変化後の版表示を注記する。(→ 7.2.2 I17.2.7 F3.20

A6 (巻次・年月次の変化)

 刊行途中に巻次・年月次に変化・追加があった場合は,タイトル変遷とはみなさず,別書誌データは作成しない。巻次変更として,VLYRフィールドに記録する。(→ 7.2.3 F4

A7 (出版事項の変化)

 刊行途中での出版地,出版者の変化・追加など,出版事項だけに相違が発生しても,別書誌データは作成しない。変化後の出版事項は,NOTEフィールドに記録する。(→ 7.2.4 F2.7F3.67.2.7 F3.13

A8 (一時的な変化)

 タイトル変遷とみなすデータ要素の変化が一時的で,すぐに元のタイトルに戻ったとしても,変化があった都度に各々別書誌データを作成する。

    TR:Elektrowärme(vol. 1−13) → TR:Gas und Elektrowärme(vol. 14)
    → TR:Elektrowärme(vol. 15−19)

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