目録システムコーディングマニュアル(NCR2018対応版)


[目次]
[前ページ]11.0 典拠データ修正指針
[次ページ]第51章 日本目録規則

11.1 典拠データ修正 修正事項一覧

 ここでは、典拠データについて、各フィールドごとの具体的な修正事項と、その作業の区分を一覧表に示す。
 原則として、典拠データのすべてについて一括して記述している。ただし、特定のデータに限定される場合は、【個人名】【家族名】【団体名】【会議名】の下に記述している。

11.1A〔通則〕

A1

 修正事項には、典拠データに対してかかるであろうと予想される修正の内容を列挙してある。「NIIに連絡」とは、修正した結果を、国立情報学研究所に連絡する必要があるということである。
 また、この表に掲載されている以外に何らかの修正事由が出現した場合は、修正の内容を国立情報学研究所に連絡する。

A2

 データの修正を行った場合は、必要に応じ、NOTEフィールドに、以下の内容で修正注記を行う。

A3

 「NIIに連絡」となっている事項については、修正注記は必須とする。

A4

 なお、修正の結果、典拠データの重複が発生する場合には、国立情報学研究所に連絡を行わなければならない。

11.1B〔修正事項一覧〕

フィールド名 修正事項
(例示・注意事項)
NIIに連絡
HDNG (1) 個人名の生年または生没年の付記
(ただし、著者の没年のみの追加は基本的にはHDNGでは行わず、DATEに記述する)
例:井野,正三 → 井野, 正三, 1936-

(2) 生没年以外の識別要素の追加
【個人名】
生没年で判別できない個人名への職業、専攻分野、肩書等の識別要素の記入
例:鈴木, 清, 1906- 教育心理学
  鈴木, 清, 1906- 工芸家
例:山田, 博, 天文学
  山田, 博, 情報工学
【家族名】
同名異家族と同一の典拠形アクセス・アクセスポイントへの識別要素の記入
【団体名】
同名異団体または会議名と同一の典拠形アクセス・ポイントへの識別要素の記入
【会議名】
同名異会議または団体名と同一の典拠形アクセス・ポイントへの識別要素の記入
(3) 「目録情報の基準」、目録規則に定める区切り記号の修正
例:浅田,彰 → 浅田, 彰
例:中上, 健次, 1946~ → 中上, 健次, 1946-

(4) スペリングなどの単純なミスの修正
例:CD-RONユーザ会 → CD-ROMユーザ会

(5) 誤って適用した目録規則に基づいた字種・字体の修正
例:Oe, Kenzaburo, 1935- → 大江, 健三郎, 1935-
(6) 複数の資料に現われる形によるヨミの修正
例:北里, 柴三郎||キタザト, シバサブロウ → 北里, 柴三郎||キタサト, シバサブロウ
(7) 識別要素のヨミの削除
例:高橋, 昭, 1930- 医学||タカハシ, アキラ, 1930- イガク → 高橋, 昭, 1930- 医学||タカハシ, アキラ

(8) 上記以外のデータの修正
(9) 上記以外のデータの削除
TYPE (1) 空値に対するデータの記入
(2) 明らかに誤りであるコードの修正
PLACE (1) 空値に対するデータの記入
(2) データの追加
【個人名】
出身地、 活躍地
例:HDNG:中浜, 万次郎||ナカハマ, マンジロウ
  PLACE:土佐;米国
【家族名】
居住地
例:HDNG:北条 (家) (小田原市)||ホウジョウ
PLACE:小田原市
【団体名】
所在地, 設立地
例:HDNG:国立公害研究所||コクリツ コウガイ ケンキュウジョ
  PLACE:川口市;谷田部町(茨城県);つくば市
【会議名】
開催地
例:HDNG:日本医学会シンポジウム||ニホン イガッカイ シンポジウム
  PLACE:東京都;箱根町(神奈川県)

(3) データの修正
(4) データの削除
DATE (1) 空値に対するデータの記入
(2) データの追加
【個人名】
生没年の一方しか明らかでなかったデータに対するもう一方の追加
【家族名】
家族と結びつく日付の一方しか明らかでなかったデータに対するもう一方の追加
【団体名】
創立年、廃止年の一方しか明らかでなかったデータに対するもう一方の追加
【会議名】
会議の開催年

(3) 誤った値の修正
(4) 推定値の修正 例:197- → 1978
  178- → 179-

(5) 誤った表記、記号の修正
【個人名】
例:1918;1988 → 1918-1988
  1933.7.2生 → 1933
  ?生-1982.2.19没 → -1982
【団体名】
例:設立:1981.10 → 1981
  昭和34年4月発足 → 1959
  1971.8- → 1971
【会議名】
例:1988.12.5-8 → 1988
  第1回:1974年5月24日、第2回:1975年7月11-26日 → 1974;1975

(6) データの削除
SF (1) フィールドの追加
(2) 参照形の修正
ア) 「目録情報の基準」、目録規則に照らして不適切な参照形の修正
  例:李, 枝妍||Lee, Jiyeon → 李, 枝妍||リ, シケン
                 現地ヨミのカタカナ形による修正
               → Lee, Jiyeon
                 別のSFとして登録
イ) 単純な記入ミスに対する修正
  例:International theatre conference → International Theatre Conference

(3) 「目録情報の基準」、目録規則に照らして不適切な参照形の削除
  例:HDNG:日本建築学会環境工学委員会
    SF:日本建築学会 → SFを削除する

SAF (1) フィールドの追加
(2) 未リンクフィールドに対するリンク形成
(3) リンクの付替
(4) リンクの解消
(5) 自動更新による修正
(6) リンクされているフィールドの削除
(7) リンクされていない典拠形アクセス・ポイントの修正 → HDNGの項参照
(8) リンクされていないフィールドの削除
例:HDNG:日本人口学会||ニホン ジンコウ ガッカイ
  SAF:Nihon Jinko gakkai <> → SAFを削除して、SFにする

NOTE (1) データの追加
(2) 修正注記の追加
(元となった修正を行った参加館(発見館、作成館、修正館)が、修正の際、あわせて追加する)
例:NOTE:同名異人の存在により識別要素として専攻分野を追加
  (現代日本人名録による)(1998.1.10)(FA000001)

(3) 既に入力されている情報の修正・削除
(原則として、データの修正、及び削除は行わない)
(なお、他のフィールドの修正・削除の結果として、そのフィールドに関する修正注記に修正・削除の必要が生じた場合には元になった修正を行った参加館(発見館、作成館、修正館)がフィールドの修正の際にあわせて修正・削除をする)

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