目録システムコーディングマニュアル(CAT2020対応版)


[目次]
[前ページ]0.4.1 図書書誌データ
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0.4.2 図書書誌データ(親書誌)

 図書書誌データセットへの集合書誌単位のデータの登録及び書誌構造リンクの作成は任意である。
 登録する場合に際しては、以下の指針に従って、既存の図書書誌データが目録対象資料に対応するものであるかどうかの判断を行う。

0.4.2A 〔通則〕

 既存の書誌データを使用するか、新規に書誌データを作成するかは、タイトルや出版事項等のフィールドのデータと目録対象資料のデータとを慎重に比較・検討し、かつ、当該書誌データ全体及び当該書誌データと書誌構造リンク関係にある子書誌データを比較・検討することによって判断する。

 以下に、各フィールド(及びデータ要素)ごとに、比較されるデータどうしの相違に着目して、判断のための指針を示す。

0.4.2B 〔新規データ作成の判断基準〕

B1 〔GMD/SMD〕

 既存の書誌データについて、その書誌データとリンク関係にあるすべての子書誌データが、同一の資料種別コードの下に収まる場合には、当該コードと目録対象資料の資料種別コードとの相違は、新規に書誌データを作成する根拠となりうる。

 GMD/SMDについては、必ず書誌データ全体及び書誌構造リンク関係にある子書誌データの内容を検討して判断する。

B2 〔TR〕

B2.1 (本タイトル)

 本タイトルが相違する場合は、新規に書誌データを作成する。
 主として洋資料については、次のような場合、本タイトルの相違として(一部の例外を除き)新規データの作成が妥当である可能性が高い。

1) 冒頭の5語までの相違
 (例外:例えば、主格形の冠詞を除いた冒頭の5語までの相違ではあるが、それが 単に単数形と複数形、記号とその読みのかたち(&とandなど) であるなどの些細な相違)
2) 主要な語(名詞、固有名詞、固有名詞を表すイニシャル形、形容詞等)の付加、削除、又は変更(綴字の変更を含む)
 (例外:例えば、綴りの相違であるが、アメリカ綴りとイギリス綴りであるなどの相違)
3) 語順の変更
 (例外:例えば、語順の変更であるが、冒頭の5語(主格形の冠詞を除いて)以降の語句の変更)

 しかし、次のような理由は、新規データ作成の根拠とはならない。

 これらのタイトルは可能な限り、該当する書誌データのVTフィールドに追記することが望ましい。

B2.2 (タイトル関連情報、並列タイトル等)

 これらのデータ要素の有無、相違だけでは、新規に書誌データを作成する根拠とはならない。必ず他のフィールドのデータ内容を検討し判断する。

B2.3 (責任表示)

 責任表示の相違だけでは、新規データ作成の根拠とはならない。
 例えば、次のような理由は、新規データ作成の根拠とはならない。

 ただし、タイトルが総称的であるなど、タイトルのみでは親書誌データの区別が困難な場合は、責任表示の相違を根拠として、新規に書誌データを作成することができる。

B3 〔ED〕

 このフィールドについては、資料に表示されている版表示が、当該書誌データと書誌構造リンク関係を持つすべての子書誌データに対応した版表示であることを確認の上、新規に書誌データを作成するかどうかについては、出版物理単位のデータ登録における指針を適用する。(→ 0.4.1 図書書誌データ)

B4 〔PUB〕

B4.1 (出版地・頒布地等)

 出版地・頒布地の相違は、新規データ作成の根拠となりうる。
 例えば、複数の国で同時に並行して刊行・頒布されている資料の出版国・頒布国が相違する場合は、新規に書誌データを作成することが多い。

 しかし、次のような理由は、新規書誌データ作成の根拠とはならない。

B4.2 (出版者・頒布者等)

 出版者・頒布者等の相違は、新規データ作成の根拠となりうる。
 しかし、次のような理由は、新規データ作成の根拠とはならない。

B4.3 (出版年・頒布年等)

 出版年・頒布年等の相違は、新規データ作成の根拠となりうる。

 しかし、例えば当該書誌データ作成時に用いた資料が、最初に刊行された資料ではないときには、当該書誌データを修正する。
 ただし、新規データの作成又はデータ修正については、必ず他のフィールド(及び子書誌データ)内容を検討して判断する。

B5 〔PHYS〕

 形態事項の相違は、新規データ作成の根拠となりうる。

 例えば、同一の資料が、刊行時期を異にして異なる巻数で刊行されるときには、新規に書誌データを作成する。
 ただし、当該データを修正しなくてはならない可能性もあるので、必ず他のフィールド(及び子書誌データ)内容を検討して判断する。

B6 〔NOTE〕

 このフィールドについては、出版物理単位のデータ登録における指針を適用する。(→ 0.4.1 図書書誌データ)

B7 〔その他のフィールド〕

 上記で示された以外のフィールドについて、フィールドの有無やフィールド中のデータ内容の相違は新規データ作成の根拠とはならない。
 逆にデータ内容が相違する場合は当該既存データの修正をしなくてはならない可能性があるので、実際にデータ修正を行う必要があるかどうかを含めて、他のフィールド(及び子書誌データ)の内容を判断する必要がある。


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